2016年3月 鉢伏山 山行報告

3月4日(土) 天候:晴れ後に雪

大峠トンネルP 8:50 … 11:20 1450m--- 東面2本滑走 … 13:10 1400m-- 飯森沢14:40 … 15:35 1150m-- 大峠トンネルP16:40

前夜仮眠した宿(喜多方の民宿えびすや、素泊まり1名2,800円)を7:30に出発。国道121号線を米沢に向けて北上する。入山地点である大峠トンネルの駐車場にはトイレがないので、山間に入る前にコンビニに寄り行動食等の買い物とトイレを済ます。
 8:30に大峠トンネル駐車場で室岡さんと中野さんと合流した。前夜に少し降雪があったようだ。駐車場から入山方向には雪壁があり、直ちに鉢伏山への取付き方が分からないが、ルート経験者の中野さんが偵察に行き入山しやすいルートを見つける。先行者なし。シールを装着して登行を始めるが、そこそこの斜度とプチラッセルということで先頭を交代しながら登っていく。斜面に日が当たり、暑いし下りの雪質が心配になる。
 標高が効率的に上がる傾斜角であり、シールも良く効く。標高1000mを超えると、尾根の平坦地に出る。ブナの巨木の森である。ルート推奨者の中野さんによれば、ブナ林は鍋倉を凌ぐということである。この当たりから日射による影響も少なくなり、雪質も良くなってくる。
 さらに標高を上げて1462mの直下までくると、雪庇も発達してきてオープンバーンの急斜面も現れ、雪崩も心配になる。稜線には風もあり、雪庇を気にしながらの登行が億劫になるとともに足下の斜面を見ると、滑走には持ってこいの斜面が広がっている。メンバーの全員一致でシールをoffにして滑走する。ほんの一部にクラストがあるものの、雪は良くパウダーを喰らう。その後、お替わりを何杯かして飯森沢に下り北東尾根を登り返して行きの登行ルートに戻ることにする。途中、滝形状の急斜面の横滑り滑降やトラバースの際に斜面のアップダウンで約1名が転倒したりしながらも、時折パウダー斜面が現れたりした。
 飯森沢に着くと、急な斜面を登る。シールが良く効くため恐怖感はない。尾根に上がり無事に帰りのルートに復帰した。この頃から雪が降り始めた。後は楽勝と思いきやリーダーのテレマークビンディングにアクシデント発生。アルペン組は、ただ見守るだけだったが、冷静沈着なリーダーは見事にリカバーして下部の腐れ雪を颯爽と滑降した(と思う。)。最後尾の赤坂ひは、腐れ雪は大の苦手。赤坂ひより先行する藤澤さんの見上げる「早くしろよ」という無言の視線を感じつつも、ともかく怪我しないようにのろのろと下った。16:00過ぎに駐車場到着。
 小野川温泉やながわ旅館(自炊棟)に移動して冷えた体を温泉で温めてビールで乾杯。猪俣シェフの美味しい料理のフルコースを堪能していつものように赤坂ひは、いつの間にか床に就いていた。







3月5日(日) 天候:晴れ(行動中の山中ガス)

大峠トンネルP 7:55 … 10:10 1150m --1本滑走 … 11:15〜11:35 1150m--大峠トンネルP 12:20

 この日の天気は、予報では晴天。気温も高めである。しかし、昨夕からの積雪を期待して7:15には宿を出発する。駐車場に着くと、あまり新雪の入荷がないことが判明した。8:00ちょい過ぎに登り始めると、クラストの上にのる雪質劣化が昨日よりも進行している。湿雪が晩の内に止んでしまって放射冷却による冷やされたようだ。登り始め早々に赤坂とのTLTビンディングが不調。修復の目処が立たずにこの日はつぼ足で下山した。
 ぐさぐさ雪で時折クラスト面が現れ、シールの効きが悪くなる場面もあったが、昨日の登り返し合流点である1150mくらいまでたどり着く。昨日、飯森沢からの登り返しの際に目を付けていた北東斜面を滑ることにする。
 しかし、晴天の天気予報に反して山中にはガスが充満しており、視覚的には神秘的なブナ林の風景であったが、滑降には不向きな状況であった。シールoffしている最中にもガスの濃度が上がる。ガス待ちしても事態は好転せずにゆっくりと滑走することにする。パックぎみの雪であるが、まずまずの滑りである。段々と斜度が増してきて小沢地形も現れたりしてきたが、視界が好転せず、また、標高を下げると雪質も心配なので、登り返して下山して喜多方ラーメンを食べることにした。下部の雪は、前日よりもバージョンアップして曲がりにくいものであったが、ガスが晴れて全員無事に赤坂とが待つ駐車場に戻った。室岡リーダーにお礼を述べて東京組と別れ、東京組は、日本秘湯の会日中温泉に浸かり喜多方の人気ラーメン店「あべ食堂」の閉店間際に滑り込み、美味しく喜多方ラーメンを食した。
 渋滞もなく赤坂宅には21:00前には到着した。来シーズンにも行きたい山が一つ増えた山行でした。入山者の少ない静かな山がお好みであれば、是非。

(赤坂ひ 記)