前泊の民宿の車で杉の原スキー場のゴンドラまで送ってもらう。天気は上々。不安定な雪の状況にテスター(笑)滑走後でと、焦らずゆっくり目に9:30スタートとする。リフトトップにはもくろみどおりすでに先行の山スキーヤーが登り始めていた。雪はやはり少なくおおむねくるぶしぐらいのラッセル。1900mの沢を慎重にわたり、トレースを使わず独自のルートで登っていくと後ろから後続のパァティが続々付いてくる。稜線が近づくと風が強い。無線に黒姫組の石黒さんの声が入ってくる。直線距離は近くあちらも稜線に出たところのようだ。外輪山の雪庇は例年と比べようもなく小さく、どこでもドロップ可能だったが、内側に一段下がったところが風をよけられて良さそうだったので、最低鞍部から少し山頂よりに進む。風がなければ太陽の日差しはもう確かに春で驚くほど暖かいが無線はとれなくなった。さっそく深井Rがコンプレッションテストを実行し、結果外輪山内側へ滑り込むGOサインが出た。
準備している間に、若いテスターが歓声を上げて大勢滑り下りて行った。我々が降りて行く頃には彼らは登り返していた。かなりギタギタのバーンではあったが、それでもまだ今シーズンとしては上々のパウダーを味わいながら外輪山の内側へ滑り込む。あっという間だったが、今年はこれでも貴重なのだ。
降り立った底からやや上部を高度をあまり下げないようにトラバースしながら南地獄谷沿いを進む。やはり藪は埋まりきらず藪スキーの様相だ。風もある。前山が見えるあたりまで進み、滝沢尾根経由で下山することに話がまとまった。1686m標高点を目指して滑り込み小休止。
そこからおおむね登山道上をトラバースで滝沢尾根に乗る。途中、鈴木さんが転倒し滑止めが木に絡まり身動きが取れなくなって一人では脱出不能になる。滑止めも状況を考えて使う必要があると再認識する。滝沢尾根に乗るとすでにたくさんのトレースがあった。藪が埋まりきらない滝沢尾根は難行苦行の様相。ともかく安全に降りることを目指して進むが、降り始めてほどなく藤澤さんが膝の靭帯を延ばす負傷を負った。テーピングを施すとなんと降りられるというので一安心。徐々に重さを増す雪の中、ようやく気持ちのいいブナ林が広がり1000mの小ピークまで滑り込む。滝沢への急下降は横滑りでクリアし、横断後緩斜面を登るとそこはもうスキー場の一角だ。あとはゲレンデを滑りあっと言う間にスカイケーブル山麓駅に到着し15時過ぎ終了となる。赤倉でと電話したのに杉の原に行って遅れた宿の車を少々待ったがやはり送迎はありがたい。
赤坂さんおすすめの宿は、情報通り到底食べきれないほどの料理が出て、全員夕食後は飲み直す余裕もなく早々就寝となる。温泉はいいので、気のいいおかみさんに量より質でお願いできるかがこの宿利用の最大のポイントかもしれない。
(猪俣 記)
昨日足を痛めた藤澤さんは宿に残り五人で8時10分藤巻尾根に向かう。
8時50分国民休暇村に着き9時に出発。
沢を渡り尾根には直ぐに取りつかず少し林道を回り込み斜面が開けた登り易い所を見つけ登行開始。
神奈山の山頂は目指さず11時迄で登れる所迄行く事にした。
今月24日のブログに藤巻尾根は素晴らしいパウダーだとありそれを心の中では期待していたが現実は甘くない。
日陰はまあまあであるが日の当たる所は重い。
途中休まずせっせせっせと上を目指す、傾斜も緩くブナの大木の林で歩くのは楽しい。
11時に着いたのは標高約1300m地点、もう少しでブナ林が切れる場所。
滑降開始、日陰はまずまずの雪なので楽しいターンが出来るが如何せんその距離が短くワンターンで引っかかる雪に入ってしまう。
木を避け重い雪を退けて右に左にターンする、そこそこ楽しいスキーであった。
全員無事林道に12時、休暇村には12時20分に着いた。
神奈山には何度か来ているが山頂に行けたのは一回だけ。
頂上に続く尾根は細く急、そこに雪が多ければ簡単に登れない。
上林さんが腰付近迄雪に埋もれ手でラッセルしていたのを思い出す。
(鈴木 記)