2015年3月 猿ヶ馬場山・野伏ヶ岳 山行報告

3月27日(金)

 白川郷まで5〜6時間の道のりが予想されるため、午後半休を取って早めに出発しようということになり、14:45に溝の口駅、15:00に登戸駅という出発時間になりました。出発の時は快晴で桜もほぼ満開。スキーを持って歩いている自分がかなり滑稽でした。
 調布ICまでの一般道が少し混んでいましたが、中央道に乗ってからは順調。安房トンネルまでは雪も少なく春を感じていましたが、平湯に抜けた途端に道路脇には1m以上の雪の壁。まだまだ冬という景色でした。そこへ小久保さん(土屋さん?)から電話が入り、翌日は合流するとのこと。賑やかな山行になりそうで一層楽しみになりました。
 外国人観光客だらけの高山を通過し、白川郷へは21:00前に到着。テントで軽く宴会をして23:00頃には就寝していたと思います。


3月28日(土) 天候:晴れ

荻町駐車場(490m) 6:25…林道との分岐(640m) 7:30…上部林道交点(1070m) 9:00…1472.2三角点付近 10:20…帰雲山巻き道(1600m) 11:30…猿ヶ馬場山(1822m) 12:50…帰雲山(1622m) 13:50…上部林道交点(1070m) 14:30…荻町駐車場(490m) 15:50

 この日は今回の山行のメインとなる猿ヶ馬場山。長いルートなので6:30にはスタート、逆算して4:00起床となりましたが、さすがに眠い。シュラフから這い出すのも一頑張りですし、その後の動きもスローモーション。その上食事やら準備やらテントの撤収やらやることもたくさんあります。大好きな山スキーですが、朝だけは好きになれません…
 合掌集落として観光スポットになっている荻町の駐車場をスタートしたのは6:25。リーダーの野村さんの時間計算がぴたりと合っていました。であい橋を渡り、合掌集落の中を進みます。一行写真を写しまくり。スキー姿の変な観光客です。荻町の裏から林道へ取り付くのですが、九折の林道をショートカットしたところ崖をよじ登る羽目に…わずか15分でこの日の核心を迎えようとは!野村さんはブレード付きのストックがかなり利いているようでしたが、丸腰の私は急斜面の凍った雪の上で固まってしまいました。軽くロープの助けを借りてやっと通過。早速冷や汗をかいてしまいました。その後は素直に林道に沿って歩き、7:30に640mへ到達。ここからは林道を外れてスキーで山の中へ分け入って行きます。


(白川郷荻町合掌集落からスタート)

 小さな沢沿いを登っていきますが、体が目覚めていないのかペースが上がりません。後続の金沢の4名パーティーに先を譲ります。土屋・小久保チームとの最初の無線交信。向こうはちょうどスタートというところで、こちらが約1時間先行となっていました。8;30に950mで一休み。1時間でペースが上がらないと思いながらも300m/時は悪くないペースでした。確かここから私がトップを行かせてもらったと思います。トップでジグを切ることに集中しているうちにやっとペースが掴めてきて楽になってくるような気がしました。
 1100mで再び林道に合流後、1178ピークを巻く形で林道を外れます。9:30に1230mへ到着。眺望が良くなってきたので一休み。青空に真っ白な山並みはいつ見ても感動します。ここからは山科さんにトップを交代しました。
 1350mあたりから稜線は広く緩やかになり、晴天を歩くのはなんとも癒されます。左右には眺望も開け一同気持ちいい!最高だ!の連発。


(好天のブナ林にて休憩)


(帰雲山をトラバース・前方に猿が馬場山)


(人形山方面を望む。この辺りが滑走に絶好の北面。)
 
 帰雲山(かえりくもやま)1622mを右手に巻いて1590m鞍部に到着したのが11:30。帰雲山手前で背後に土屋・小久保チームの姿を確認していましたので、ここで休憩タイムを取り、土屋・小久保チームを待ち受けました。久々の再会を喜んだり、初対面の挨拶を交わしたりしました。それにしてもここまで1時間少なく来てしまうとは恐れ入ってしまいました。
 帰雲山ですが、ここから宮川へ落ち込む北向きの斜面に水曜日に降った雪がパウダーと思われる状態で残されていました。滑走という意味でも25度くらいの快適そうな斜面。1300m程度まで滑って1472ピークへ向かって登り返すようなルートが考えられそうでした。巷ではシーズン最後のパウダーと言われていた今回の降雪。一人であれば猿ヶ馬場山を放棄して滑り込んでいたかも…それほどまでに魅力的な斜面がありました。しかし目標は猿ヶ馬場山。帰りも長いルートを考え、今の斜面は見なかったことに。
 1700mあたりからはさらに広い稜線となり、針葉樹林が目立つようになってきました。このあたりになってくるとさすがに上りに飽きてきましたが最後の頑張りで無事に猿ヶ馬場山のピークに達することができました。ピークからはまず噴煙を上げる御岳が目立ちました。そして乗鞍、北ア、白山というように360度の大パノラマ。ここは絶対に天気が良い時に来るべきでしょう。そうすれば長いルートものんびり登れますし、登ればご褒美となります。ピークで記念撮影と昼食を済ませ、滑走へと移りました。


(山頂付近。360°大展望に感激。)


(山頂はもうすぐ)


(全員集合・白山を背景に)


(関東組・御岳山、乗鞍岳を背に)


(東海チーム)


(帰雲山を登り返す)
 
 帰路は何度もルート経験があると言う東海チームを先頭に下降開始です。緩斜面が長く続くこともありそんなに気合を入れて滑ったわけではないのですが、1ピッチ目で後傾になった瞬間ブーツからバキッという音が…滑走モードの固定が利かなくなってしまい、歩行モードで滑ることに。これで今シーズン3度目。参ってしまいました。
 重くて滑りにくい雪も土屋さんはガンガン飛ばしていくので、こちらはヒーヒー言いながら付いていく。太ももはパンパン。決して楽しい滑りとは言えませんでした…下山も荻町の合掌集落へ。でも朝と違って観光客でごった返していました。スキー場もないのにスキー姿で歩く私たちは注目の的。駐車場までの間に2度も質問をされました。
 土屋・小久保チームと駐車場で別れ、翌日の野伏ヶ岳を考えて郡上市の石徹白(いとしろ)へ移動。この日の宿はいとしろ旅館。1泊2食6500円ということで特に期待はしていなかったが、部屋はきれいだし、夕食は飛騨牛のすき焼きというビッグサプライズ。大いにお酒が進みましたが、佐々木は花粉症で早々にダウン。


(観光客で賑わう荻町集落へ下山。夕食の飛騨牛。)


(猿ヶ馬場山 トラックログ)


3月29日(日) 天候:曇のち雨

白山中居神社 7:00…990m 9:00…1100m 9:40…白山中居神社 11:00

白山中居神社 7:00…990m 9:00…1100m 9:40…白山中居神社 11:00
  この日は雨が降るという予報。宿の朝食は6:00からということで5:00起床で出発の準備をしました。しかし6時の朝食の前に外へ出てみると雨が落ち始めてきました。この時点でいったん諦めました。しかし朝食が終わると今度は青空が見えてきました。そこで一転やはり出発することに。多少時間をロスしたものの、7:00には登り始めることができました。事前の情報では白山中居神社の駐車場から出発ということでしたが、実際には林道の除雪終点に5台程度車が止まっていました。
 林道に沿ってゆっくりと登っていきます。雪は思った以上に多く、スキーを脱いだりするような場面はありませんでした。1080m付近で台地に出ました。その先の池のあたりではテントを張って楽しんでいるグループがありました。進むのは順調でしたが、9:40にいよいよ雨が降り出してきてしまいました。今日は行けるところまでということだったので、ここで潔く戻る決断。1080m付近で小休止してから林道を一気に滑り降りました。今回は滑れませんでしたが、南東斜面はなかなか快適そうでした。
 下山後はウィングヒルズスキー場の隣にある温泉へ。いかにも日帰り温泉という施設でしたが、ナトリウム系の泉質で非常に良い温泉と感じました。その後中央道経由で帰りましたが、渋滞に巻き込まれたこともありなかなかに遠い帰路でした。


(野伏ヶ岳へ向けて前進するも暗い空。)


(野伏ヶ岳山 トラックログ)

(佐々木記)