前夜に深井車と石黒車に分乗して東京を出発し、午前0時半頃にリゾートマンション「エトーレ赤倉」に到着する。このリゾートマンションは、深井さんの常宿であるペンションぷるーくの別館ということで、この山行の宿泊に利用させてもらった。温泉付きで居心地が良すぎるところである。軽く寝酒ということであったが、藤澤さんと赤坂とが赤羽ネタで盛り上がり、気がついたら東京23区唯一の地酒「丸眞正宗」が空になって、就寝となる。
午前8時、エトーレ赤倉から黒姫高原スノーパークに出発するものの、こたつのスイッチの切り忘れが判明するなどしてゲレンデ出発が少々遅れてしまった。回数券を一人2枚づつ購入して第1クワット、第2ペアリフトを乗り継いでゲレンデトップに着く。第2ペアリフトの運行が遅れたのか、まだ先頭のスキーヤーが旧ゲレンデの左側を登っているが見えた。シールを着け、ビーコンチェックをして登山届をポストに入れ、出発した。昨日の降雪量などからリスク回避のため、右側の樹林帯から藤澤さんを先頭に登行を開始する。先行トレースはない。数日前の雨の影響か雪が硬い層に積もっている部分もある。リーダー深井さんから、指示がなくてもスペーシングなどの安全行動を習慣にすることや雪崩の危険性ある地形で安易なトレース利用を慎むよう実地でご指南を受けた。旧ゲレンデの上部に来ると、斜面をトラバースして左側の樹林帯に入った。旧ゲレンデトップで小休止する。その後、ラッセルとトレース利用を交えて稜線まで休憩なしで一気に登った。午後0時40分頃に稜線着。昨シーズンは、稜線の雪庇を登るのに苦労させられたが、この山行では、雪が少ないのと先行トレースのおかげであっさり登れてしまった。 今回、我々は、東尾根ではなく、東尾根南側の夏道に沿う尾根を滑降するため、稜線を南に向けて移動した。稜線は雪面がうねって歩きづらい。
シールを外すが、風が強く、じっとしていると登りで汗をかいた体が急速に冷えて寒い。午後1時10分頃に滑降を開始し、少し下ったところで深井さんがピットチェックを行う。JANで講習を受けた佐々木さんもやる気満々でピットチェックを手伝う。先週、石黒さんからピットチェックを教わったばかりの赤坂夫婦も、さらに学習する。
その後、深雪パウダーに酔いすぎたためか、夏道から北寄りの沢に向かってしまった。1400mあたりで沢を横断したあたりから、雪質が変化した。氷の層の上に積雪があり、調子に乗ってパウダーだと思って滑ると、氷の層の上の雪が落ちてくるようになり、積雪が少ない部分にはクラストが突然現れ、板のスピードコントロールが難しくなる。北東のゲレンデ方向にトラバース気味に標高を下げていくが、途中、雪質変化に富んだ急斜面では、クラスト部分の加速による転倒者の板がパウダーに埋まり、掘り出し救助する場面があったりした。ルートファインディングをしつつ、924mの橋を無事に渡り、午後3時40分頃、ゲレンデに戻る。前半の深雪100%パウダー、後半のクラスト50%入りパウダーという、標高差のあるダウンヒルならではの雪質を楽しんだ。
黒姫駅前の地酒屋で「大信州(番外品)」「夜明け前」の合計二升の日本酒を調達してエトーレ赤倉に戻り、温泉に浸かる。シェフ猪俣さんの美味しいおつまみの数々やコック藤澤さんの特製サラダを肴に宴会が盛り上がる。料理不得手の赤坂とは、シェフ猪俣さんと石黒さんから直々にニンジンシリシリのスライサー細切りのご指南を受けたが、習得ならずであった。締めは、わざわざホットプレートを自宅から持参したシェフのグリーンカレーを美味しくいただく。翌日の天候が気になるところではあったが、結局、翌日の行動は、起床して状況を見てから判断することになり、宴会部屋から一人二人と段々と人が少なくなっていき、最後は、藤澤さんと赤坂夫婦だけになったと思う(深井さんもいたかな?)。そして、適当な時間にお開きになった。
(赤坂ひ記)
雪は昨日から降り続き、朝には車の上に30〜40cmの新雪が乗っていた。
この雪では山へ入れるのかと不安を抱きながらの朝食。小生は昨夜早々にダウンしてしまい猪俣さんのタイカレーにありつけなかったが、朝ごはんにいただいた。一晩おいたカレーは美味この上ない。お腹も満たされたところで車を掘り出すことに。車を掘り出したり、車にアクシデントがあったり、山にするかゲレンデにするか、どこのゲレンデにするか、宿を撤収するか、などとやっていたらあっという間に10時になってしまった。結局この日は杉ノ原のゲレンデへ。トップへ上がると雪と強風で山へは入らなくて良かったね、という話になった。
軽い昼食をはさんで14時半くらいまでゲレンデで滑り温泉を堪能した後、16時にエトーレを出発。黒姫駅前のそば屋と酒屋へ寄って解散となった。深井車の終点、豪徳寺駅到着はほぼ22時。長いシーズンのうちにはこんな日もあるよね、という一日でした。ゲレンデとは言え、仲間とのスキーはやはり楽しかった。
(佐々木記)