2013年4月 天狗原山 山行報告

4月12日(金)

西国分寺駅に20時に集合して木村車で小谷村に向かう。小谷温泉への分岐の少し先の「道の駅小谷」に0時30分頃到着。屋根のある所にテントを張って軽く宴会後就寝。国道沿いの道の駅のため、大型車が通過すると凄い音がするし、ひっきりなしにトイレや自動販売機を使用する車が入ってくるため仮眠には適さない。先客も含め ぞくぞくと翌日山に入る車が入ってくる。熟睡したのは2時間半くらいか。


4月13日(土) 天候:晴れ

8:00 小谷温泉山田旅館前 --- 8:30 雨飾荘 --- 9:30 林道取付き点出発 --- 12:55 ルンゼ上(1720m) --- 15:08 天狗原山山頂 --- 16:00 滑走開始 --- 16:20 登り返し地点(1650m) --- 18:40 中海川を渡る橋 --- 19:30 小谷温泉


6時の地元の大音響のチャイムで起こされ、朝食を取って小谷温泉に向かう。小谷温泉 山田旅館の手前に車を停めて出発。大人数のパーティーが出発の準備をしている(後に童人トマの会の集中山行である事が判明)。ここから雨飾荘(旧 栃の樹亭)までは雪の無い林道をスキーを担いで歩かなければならない。
雨飾荘の前でシールを着け、宿の横の 妙高方面の林道を歩きだす。雪はあるが部分的に泥や小石がの乗っていて汚い。中海川にかかる橋を渡り、しばらく水平移動した1055m地点の少し先で休憩。ここからようやく本格的な登り。ここまで小谷温泉から1時間もかかり、取り付きまでが長い。天狗原山 南西尾根までは急な登りだが、雪がかなり沈んで樹木やブッシュを避けながら大汗をかきながら登る。我々以外にも数パーティーがほぼ同時刻に取り付き、この後ずっと 抜きつ抜かれつ同じようなペースで登っていく。快晴無風の絶好の山スキー日和だが気温が高く汗が流れる。
南西尾根に出て少し横幅が広くなったが、部分的にやせ尾根を巻いたり、樹木を避けたりと 中々まっすぐ歩けない。斜度のきつい所は、昨日降った表面の新しい雪ノ下が固くて滑ったりして難儀する。ペースが遅く標高 1575m付近で12時になってしまうが、まだ標高差で600m 距離も半分以上ある。1741mの岩峰付近は複雑な地形で、尾根を巻いて急なルンゼ上の所をスキーを外してキックステップで登るが、雪面が硬く一歩一歩3回くらい蹴りこまないとステップが切れず疲労する。
全体的にかなり複雑な地形で視界が無いとルートファインディングがかなり難しいだろう。1900mあたりのコルから少し下って最後の長い300mを登りきってようやく天狗原山の山頂に到着した。事前の下調べも役に立ったが、ここまで地図とコンパスのみを頼りにして完璧なコース取りができた。山頂からは360度の素晴らしい展望。1ヶ月前に行った妙高火打山のコルが正面に見え、反対側は雨飾山を見下ろす形になる。戸隠の山々も正面に格好良く見える。
後から来た童人トマの会の3人組みのパーティーに「トレースありがとうございました。迷わずどんどん登っていくので、通い慣れた地元の人たちかと思った」と嬉しい言葉をもらった。15時30分に全員山頂に到着。時間があれば金山まで足を伸ばしたかったが それどころではなく、暗くなる前に下山できるかどうかという時間になってしまった。


天狗原山山頂にて

シールを外して金山とのコルまで滑り、ここから浅海川を滑走するが深い谷で、時々巨大な穴状の窪みがあり、雪の状態も悪くて難儀する。日が当たっている所は前日に降った雪が硬くパックされた状態、日陰はアイスバーンで転ばないように標高を落とすだけだ。ずっと深い谷の中で気持ちの良い所ではない。
この先滝が出ている事が判っている標高1650m地点でシールを着けて右岸の尾根を目指して登り始める。1ピッチの登りで金山からの南西尾根に出て滑り始めるが、そこら中ブッシュが出ていて、藪山スキー状態。ただ、上部は日当たりが良くて適度に柔らかいザラメで滑りやすかった。尾根上のルートも地図で見るよりはずっと複雑で、こまめに地図とGPSで現在位置を確認しながら下る。途中から雪が少ないため少し中海川に寄ったコースを取って、夏場の湿原に到着。すでに18時を過ぎて、日が翳って暗くなりだした。
湿原を抜けてさらに一段降りないといけないが、藪だらけで滑走できず、割れた沢沿いの、水がザーザー流れている横の かろうじてスキーの長さ分の幅だけ残っている雪を繋いでなんとか降りた。来週には確実に落ちるであろうスノーブリッジを渡り、最後は雪面に薄っすら残ったスキーのトレースを辿り、土砂が崩れて小石と土だらけの斜面をトラバースして 中海川を渡るスタート地点の橋に戻った。ようやく林道に戻れて本当に安堵する。
雨飾荘に戻った時は完全に日が暮れてしまい、月明かりの中 板を担いで林道を歩いて小谷温泉に戻った。行動時間は11時間半に及んだ。急いで「道の駅小谷」に車で移動して、入浴と食事を1時間で済ませて ようやく一息。全員くたくたなので、もともと おまけだった翌日の行動は中止として、コンビニで酒と朝食を買い出して、栂池高原スキー場の駐車場に移動してテントを張り、満点の星空の中宴会となったが、あまり長続きしなかった。


4月14日(日) 天候:晴れ

ゆっくり寝るつもりだったが、またも6時の大音響のチャイムで起こされ、朝食後 本当は天狗原山の山頂で飲むはずだった美味しいコーヒーを頂いた。今日は天気が下り坂で既に風も出ているが、駐車場はバックカントリー系のスキーヤーとスノーボーダーが大勢いて賑わっている。
木村さんの翌週の山行の下調べのため猿倉の下の二股に行ったが全く雪が無く、道路沿いでフキノトウを少し採って いつものように蕎麦を食べて帰宅の途についた。

(上林 記)

【備忘録】
・道の駅小谷は国道沿いで、大型車の往来が多く仮眠には適さないが、レストランの食事、温泉は良好(食事+温泉で割引有り)


天狗原山GPSトラック図