焼岳には下堀沢右岸コースで行っているが今回は中の湯からの尾根コース。
過去は新雪で快適なパウダーを楽しんだ、今回もと・・・
残念ながら時期が遅すぎコチコチの根雪の上に雪が2〜3cm積もった状態。
急斜面では登りも降りもエッジを十分に効かせないと雪もろとも落ちる。
中の湯からは旅館の裏側に廻り北に向かい登る(道路は無視)。最初から中々の急登、眼前には安房山からの尾根が来ておりまるで屏風。
その尾根を回り込んで本来の焼岳の尾根に取り付く。トレースがありそれについて行ったが登りがどうにもならなくなってから回ったらしくターンが急。リーダーの指示で自分なりのコースを登る。
高天ヶ原から上は噴煙の上がる焼岳を見ながらの登り。穂高、霞沢や岳沢も見え快適。
2318mの台地迄登りそこから先は氷結の為危険とのリーダー判断で滑降に移る。
これが私には大変な苦労だった。ここ数年国内の山スキーに行っていない。滑ったのはカナダ、アラスカのパフパフの新雪ばかり。
急斜面では表面の雪と共に落ち、林間滑走では腐った雪にスキーを取られ迫って来る木々の枝が剣の様に見え身体が引いてしまい転ぶ。
カナダで短いファットスキーを新しくした木村さんはスイスイ。
宿に帰ってからは風呂に入り木村さんの煎れ立のコーヒーを頂く味覚音痴の私でも美味しいと感じた。
苦味があるが濃くは無くあっさりしていて少しの甘味もある。なんと4杯も飲んでしまった。
茶色:登り 赤色:滑走
取付きを林道を廻り込んだ1629m地点からの尾根でなく小船のコルに続く沢を詰める事にした・・・
厳冬期は雪崩の恐れが十分にあるが今回は急斜面の硬い根雪の上に2〜3cmの雪で雪崩の恐れは無いと判断。
だがいざ登って見ると雪崩は起き無いものの滑落する恐れがある事が身にしみて分かる。
クトーを着けても急斜面の為片側の歯しか十分に刺さらずバランスを崩し易い。
又キックターンをする安定な場所が無く登る前にコースをイメージして登らないと行き詰まる。
木村さんが雪の弱点を見て登れと言った・・・・名言である。それでもなんとか小舟のコルに登り切る。
ここから頂上迄は稜線で風による雪の起伏の多い地形、歩き難い事甚だしい。山頂からは白銀の穂高、笠ヶ岳、常念、霞沢が見え美しい。
山頂から小舟に降りるか木村さんより質問があるも登り返しの体力が心配な私は勘弁して貰った。
往路を引っ返すが山頂付近は起伏で滑れない為西側を回り込む。今日の雪質は良いのかそれとも私が慣れたのか滑り易い。
特に小舟のコルから中の湯迄は登りの苦労と逆に快適であった。
このコースは雪が良ければ滑るのがメインの人にはとても良いのでは。
山頂まで登り小舟に滑り込み小舟のコルに登り返し中の湯戻り又それを繰り返せば。
茶色:登り 赤色:滑走
その他
@中の湯の旅館は落ち着いていて清潔で風呂も良くおすすめである。
A中の湯に入るゲートは時間によって見張り番がいる(ゲート内に勝手に車は置けない)。
(鈴木 記)