黒姫はランドネ入会時に初めての厳冬期山行であったことを懐かしく想い参加表明した。先行して、妙高に入っている深井さんから降雪情報を頂きながらの前夜発で始まった。新潟県には暴風雪警報が発令されており、途中石黒車とSAで合流し初日に予定していた神奈山を協議の結果黒姫山に変更決定。リフトの運行時間を考慮すると、早朝着の意味合いが薄れるとのことで長野の信州健康村で宿泊をすることにする。さすがに、毎週妙高周辺を荒らすメンバーが揃っており状況分析、判断が早い。翌日は、7時30分フロント集合、高速に入るが冬用タイヤ装着検査とかで、強制的にPAへ誘導。渋滞になり抜けるのに30分を要した。
センターハウスで深井さんと合流。リフトを二本乗りついてハイクアップ点到着。ビーコンチェック後いざ出発。閉鎖された最上部コース向かって左側には既にトレースの跡があり、単独者がそのトレースを辿っていく。当然そのトレース跡を追うものと思いきや、トップの深井さんは、右側の樹林帯を進む。膝上のラッセルを、殆どを力強く深井さん、石黒さんにおこなって頂き、時々藤澤さん、ほんのチョイラッセルの小生。スキー先端が突き刺さる雪質。動いていないリフト上部へ1時間で到着。ここで1本休憩し、ここからは先行者のトレースを藤澤リーダー先頭で進む。
途中、ボーダーのグループを追い越し、2時間弱で稜線到着。それ程の雪庇も無く、ドロップポイントに移動する。夏道か、東尾根かを検討し数名の先行者がいるようだが、東尾根側に決定。中川さんのピット調査、その奥では深井さんの念入りなピット調査。1m近くに固い層がある、その下も深い積雪があり、3.5mのゾンデはその先の固い層はつかめなかった。安全確認後、深井さんがトップでドロップイン
’’重い!!’’えェ〜。アップ時は軽いと思ったが・・・・。小生の番になり、少し横移動しようとするが、お腹あたりまで雪が溜り動かない。斜度を求め下に向かうと、雪は重いが動き出した。1,600m地点から、止ると腰まで潜るくらいの雪質であるが、止らなければ非常に快適なパウダーでオーバーヘッドパウダー成るものを初体験した。石黒さんが先行しビデオ撮影となった。今晩のつまみになるような滑りを期待されての撮影となった。
ラストを滑るリーダーが力強く、滑走してきた。さすがリーダー、期待に応えて頭から一回転 ’’動けな〜い’’と叫ぶ声。そう言われても、こちらも、メタメタで’’動けな〜い’’ 深雪での転倒が如何に大変であるかを体現してくれこれはこれで参考になった。黒姫を知り尽くした、深井さん、石黒さんのルートとりで、その後も楽しい斜面、場所を間違えると渡渉の心配があるがこれもドンピシャで橋にでる。追い抜かれたボーダーのトレースでスキー場に戻る。今季、本格的な山行は初めてであったが力強いメンバーに助けられ楽しむことができた。毎週のように、山行に参加してる皆様の話では今期最高のコンディションとのこと。運にも恵まれ、びっくりする程降る雪のおまけが付く中、今夜の宿泊地である関温泉へと向かった。
(阿部 記)
黒姫山1750m付近の深雪滑走
ルート図 赤→登り 青→滑降
今日は、昨日と打って変わって青空が広がる良い天気。但し、昨日の吹雪の影響もあり、神奈山山頂まで登るのは難しいだろうとの事から、関温泉スキー場上部の三角エリアで滑ることとした。温泉の朝風呂につかり、8時からの朝食をのんびり食べてから出発。
宿からスキー場までは歩いて5分と掛からない。降雪後のゲレンデにはパウダー狙いの人々が、大勢列を作っている。最上部まで行くための2本分のリフト券を千円で買って、リフトの長い列に並ぶ。脇のゲレンデでは我先にと斜面を下りてくるが、法面から落ちてけがをするボーダー等、けっこう危ない。
のんびりした第1リフトを下りると第3リフトが見えるが、まだ動いていない。シールを付けて登った方が早そうだが、ゲレンデをあがるとパトロールが飛んでくるらしい。仕方ないのでリフトが動くのを待つ。(第3リフトからクライマーズレフトの林間ならシールで登れそうだった)ようやく動いたリフトに乗ったが、途中で10分停まり寒かった。
リフト終点の標高1200mからシールを付け登りだす。トレースは無いが尾根上を、藤澤リーダーが力強くラッセルしていく。途中、右の幕の沢左岸の斜面(1350〜1450m、SE斜面)にNaの面発生雪崩の跡が複数見られた。岩が見え、積雪が薄いようだ。良いペースで登り、1時間ほどで目標の三角エリアの上部に着く。ここで登行終了、シールを外す。気温は−4.4℃だが、晴れているせいで暑いぐらいだ。中川さんがピットチェックを行い、コンプレッションテストの結果はCTH(25)↑87PP、弱層は降雪結晶による。プローブチェックでは、尾根上で昨晩の降雪が30cm、65cmと120cm下に薄いクラスト、165cm下にレインクラストの層が見られる。
滑り出しは無木立の東斜面、ひざ下のパウダーで滑りやすい。スキーカットの結果無し。標高差ではわずか200m程だが、気持ちいい斜面が続く。どこまでも降りて行きたいが、スキー場に戻れなくなるので1280mでトラバースし尾根に戻る。(スキー場に戻らずに、国民休暇村に行くなら沢を行けそうに見える)尾根に戻ったところで、再び休憩。今日はピクニック気分である。ここからは右に尾根を下り、沢を滑る。しばらくするとリフトから降りてきたトレースがあったので、それをたどって旧ゲレンデへ。この辺は雪も重くなり、ゆっくり降りる。道路脇に出た後、それに沿ってゲレンデに戻る。半日コースだが、良い天気の下、気持ちいいツアーとなった。宿に帰って温泉に入り、帰路に着く。
宿の駐車場は3台停められないので少し離れた公共の駐車場に停めた。しかし停めた上の駐車場は有料で1日500円だった。もう少し下に無料の広い駐車場があるので、泊りならそちらの方が良い。
(深井 記)
三角下部の滑走
ルート図