諸事情で、1/26 (土) 午後発で宿に泊まり、山スキーは1/27 (日) の1日だけとなる。角田さんの自宅最寄り駅である千歳船橋駅に集合して、急務で出かけた角田さんを待って出発する。インターを降りた後、スーパーに立ち寄って各自酒等の買出しをする。
晴れていた空も宿に着く頃には雪がチラつくところとなり、明日の深雪への期待が膨らんでゆく。広々とした浴場で一息ついた後、男性部屋で一杯やってからレストランに向かい、刺身や焼き魚、煮物、鍋焼き豚野菜等、バラエティに富んだ和食 (+デザート付) と、角田さんお薦めの日本酒・谷川岳に舌鼓打ちながら歓談し、雪はかなり吹雪くところとなり、20時過ぎからはまた男性部屋に移動して2次会で盛り上がった。
1/27 (日) の朝食は、和洋取り混ぜたバイキング。超豪華なおかず群に目移りしてしまう。
昨晩は20 〜 30 cm の降雪があった様で、深雪滑りは約束されたも同然であり、チラホラ青空も見え始めていて、弥が上にも期待は高まるが、オグナ武尊スキー場に到着すると、何と、場内放送では『強風でリフトが運休する場合もあります』とのこと ! ! 取り敢えず『現段階ではリフトは運行している』とのことだったので、サービスエリアで確保した割引券で『リフト1日券+800円分食事券』を購入して、最初のクワッドリフトに乗車した。リフトに乗ったまま1尾根越えた途端に強風が吹き付け、前途多難な気分になると、何と、次なるリフトは稼動していないではないか ? !
「シール登高で山頂まで行こう」と言う人もいたが、結局「この強風では無理」という結論になり、取り敢えずゲレンデを滑降する。
再びクワッドリフトに乗車したが、尾根を越えても、先程よりはかなり風も収まってきた模様。『上のリフトも動くのではないか ? 』と、止まったままのリフト乗り場係員の所へ、合田さんが様子を伺いに行ったところ、「あと5分したら上の様子を伺って、リフトを稼動させるか検討する予定」とのこと。「このまま待っているのも何だし、取り敢えず滑って、クワッドリフトで上がって来れば、もしかしたら上のリフトも動いていて乗れるのでは ? 」ということになったが、少し歩いて上れば、先程は行けなかったノートラックに近い新雪斜面が滑れると、逆ハの字歩きで登り始めるが、「あれ、リフト動いた ! ! 」ということで、リフトに乗って上を目指すこととなった。
第5ペアリフトを降りると、最後の第6ペアリフトはやはり動いてはいない。
大分風も弱まって来ていて『リフトが稼動するのも時間の問題』な気もするが、時刻も11:30 となってしまって「前武尊山を目指すには、タイム・リミット目前 ! ! 」とあって、ここからシール登高することにした。
第6ペアリフト終点には11:50 に到着し、1本取って ( 中館は中間着を脱ぐ際に飛ばしてしまったリフト券を探すも見当たらず。)、これからはバックカントリーなのでビーコン・チェックしてから12:00 丁度に出発すると直ぐに第6ペアリフトが稼動し始めた。「際どいタイミングで、惜しいことをした」とは思うものの、「リフト待ちをしていて今リフトに乗ったばかりよりは、時間的には大分稼いでいる」ということで、一同、納得。それに『山屋』としては楽ばかり望んではいけない ! !
さぁ、山頂までは40〜50 分の一登りだ ! !
クライミング・サポートを上げて急斜面をジグザグ登高する。急斜でヘアピンカーブのキックターンは辛い。しかし先行パーティーが居てトレースがある為、ラッセルしなくて良いのでかなり助かっている。新雪が深い所では20〜30 cm もあるのだから。我々はキックターンでもたつくので、途中でスノーシューを履いたスノーボーダーに進路を譲るが、これが大失敗 ! ! 『新雪に避けた』為、それぞれが戻るに戻れず ( バックするのも至難の業だし、僅かな段差も中々登れず.... ) 、『ラッセル』で苦労する。1人足早にボーダーより先行していた角田さんだけ、スムースに登って行っていた。また、『直線登り』に戻ると断然シール登高の方が早かったので、今度は反対にボーダーから進路を譲られる羽目になってしまった。( 先程の苦労は....何の為だったのだろうか... ? )
12:47 前武尊山・山頂到着 ! ! 中館が以前来た時には無かった ( ? ) 『ヤマトタケルの銅像』が出迎えてくれた。
山頂には先行の5人 ? パーティーの外、後からも続々と登って来る。1本取ってシールを外し、軽食を摂ってから、他のパーティーの人にお願いして記念撮影して貰う。他のパーティーは皆『十二沢を滑る』と言う。我々は、十二沢を降りて帰る前に、『極上の深雪』を味わうべく、13:10 『荒砥沢』を目指して剣ケ峰方面へと細い尾根を慎重に下って行く。そして待望の荒砥沢 ! ! 『ノートラック』で、我々だけのプライベート・深雪バーンだ ! ! 早速、角田リーダーが先行して『ビデオ撮影会』の始まりである。東京から至近距離で、この素晴らしい深雪のオフピステは,贅沢極まりない ! !
いくらでも滑って行きたいところだが、『先程の要らぬ ( ? ) 苦労』が良い教訓となっていて、「『我々だけでこの深雪をラッセルして登り返す』には、この辺で止めておいた方が良い」ということになり、ビデオ撮影2廻り、『標高差、僅か100m 』、だけの滑降で登り返すこととする。( 13:25着 )
深雪なので、板を脱げば腰位まで潜ってしまう。皆、自分の周りを念入りに整地してシールを着けるが、中館は、『滑り留ストラップを外さずに板を脱いだ』ら、ストラップがピーンと張ってしまい、外すのが至難の業になってしまった。一番上部に居た田原さんが先陣切ってラッセルを開始してくれ ( 13:35 )、次いでゲストの稲葉さん、中館と皆徐々に後続して行くが、田原さんがかなり頑張ってくれた後シールが剥がれるトラブルを起こし、先頭を交代した稲葉さんも直ぐに同トラブルでリタイア。合田さんも ? 角田さんもシールトラブルで、合田さん持参のガムテで補修していた為 ( 稲葉さんは自分で持参したゴムバンドで補修 )、その後稜線までは中館が一人でラッセルする羽目になる。しかしやり始めの辺りは『苦行』の様にもがき苦しんで、一時はどうなることかと危ぶまれたものの、少し上がると雪も締まっていてあまり潜らなくなり、途中からは我々の滑ったトレースも利用して、思っていたよりも苦労せずに登り返せたが、それでも『下り10分』だったのに、『登り返しは1時間近く』も掛かってしまった。( 前武尊山 14:35 着 ) しかし、角田リーダーと中館以外は『急斜の細尾根の登り返し』に四苦八苦して板を脱いでの登高となり、到着までには今暫くの時間を要した。3人は皆『かなりの幅広板』だったので、登高時にエッジが効き難かった模様。幅広板は、深雪滑降時には素晴らしい威力を発揮するものの、『利点ばかり』ではない様である。
稜線間近の頃、武尊山方面へ縦走して行く3人位の山スキーヤーを見かけた。
全員無事に前武尊山に再登頂・到着した。朝方の降雪と強風は嘘の様に消え去り、無風・快晴で澄んだ空気の中、遠くの山々や里の景色がとても美しく見えている。シールを外し、お腹も減ったし『レストハウスのランチが終わってしまう前に ! ! 』一刻も早く、いざ ! 出発 ! ! と、思いきや、田原さんが中々立ち上がらない。『ボーダーへのトレース譲りのラッセル』、『荒砥沢登り返しのラッセル』、『シールトラブル』、『急斜細尾根の登り返し』等で、すっかり疲れ果ててしまった模様。無理も無い、もう『70歳近い』というのに、かなり頑張ってしまったのだから。ここは、中館秘蔵のウィダー・イン・ゼリー ( 賞味期限切れ ) を差し上げて、エネルギー・チャージして貰って、何とかもうひと頑張りして貰う。( 15:10 出発 )
勝手知ったる ( ? ) 『十二沢』は、『お手軽 ( ? ) 山スキー』のメッカ・コースとあって、既に沢山のトレースで荒らされている。比較的荒らされていない部分を拾いつつ、皆、ガンガン滑って行く。『荒砥沢』程ではないが、まぁ、それなりに快適だ。途中、『デブリが出ていた』斜面があり、( 上から見下ろして ) 右側の少し傾斜の緩い尾根側にエスケープして滑った。
僅か『5分の滑降』で、ゲレンデに戻ってしまった。 ( 15:15 着 ) 遅い昼食は、合田さんお薦めの『レストハウス カプリコーン』( 第5ペアリフト乗り場隣 ) で摂ることとなり、更に僅か5分で到着。( 15:20 着 ) しかし、カレーを頼んだ面々には「辛過ぎる」と不評だった。食後、角田リーダー提案「残り時間、ゲレンデで滑ろう」には、「カービング・スキーでゲレンデを滑っても快適でない( 深雪でないと駄目 ? )」とのたまう合田さん、理由不明 ? ( 合田さんと同意見 ? ? ) の稲葉さん達はレストハウスで待機・休憩となり、ゲレンデに出たのは角田リーダーと中館のみ。時刻も遅かったので、リフト2本乗れただけだった。レストハウスに再集合して、本日最後の滑降を、センターハウス手前から林道に入って、駐車場脇まで一気に駆け抜けて行った。
『花咲温泉』で温泉浴して帰京した。
天気にほぼ恵まれ、深雪に恵まれ、良きメンバーに恵まれて、とても充実した楽しい山行でした。
皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。
(中館 記)