木村車で、6時30分、京浜東北線・赤羽駅出発。GW初日ということでかなりの渋滞が予想されたが、実際には断片的で18時前に嶽温泉に到着。途中弘前城に立ち寄り、しばし観光するも桜はまだ3分咲き程度。東北道をドライブした感じでは桜前線は福島〜宮城辺りを北上中と言ったところ。宿泊地の山楽は岩木山スカイライン8合目行バス停の真ん前にあり、アクセスが非常に便利。晩飯も美味しく宿の主人も親切で、今後も使いたいという感想。夕食後明日のルートについて色々と意見が出たが、赤倉神社ルートを最初にやることに決定。早朝に車を滑走終了地点のできるだけ近くまでデポし、同時にタクシーと待ち合わせて宿まで送迎してもらってから朝食ということで落ち着く。
予定通り朝食前に赤倉神社でタクシーと待ち合わせをする。赤倉神社前は十分な駐車スペースがあり、また雪もしっかり残り、車デポ地としては良い。(実際上から滑ってそのことを実感)。岩木山8合目行きの始発バスは8時25分嶽温泉発だが実際には8時頃からスキー客が並び始める。スカイラインは8合目までは雪がどんどん増えていくが、その上のリフト沿いは雪が少なく、また岩木山山頂への登山路は全く雪なし。八甲田もそうだったが、今春は山頂付近の雪がないという現象が共通して見られた。岩木山山頂で記念撮影し、いよいよ滑降開始。
ドロップポイントは弥生ルートと同じ約40度の急斜面。直下の岩山(耳成岩)の間を通過する際に5m程雪が無くなったのでスキーを脱いで通過。夏山登山道は岩鬼山の上部だが、雪が切れていたので下部にルートをとる。実際には弥生ルートを使ってトラバースし、そのあとそのコースを外れて赤倉コースへとトラバースを続けるほうが効率は良かった。さらにトラバースを続けて赤倉神社へ下る尾根の右側に広がる大斜面に出た。方角を確認し、これを一気に滑り降りる。同じ様な大斜面をもう一つ下ったところで登山者に出合った。先のルートについて尋ねると伯母石付近が雪少なく注意とのことだったが、実際は尾根の右側を忠実に辿ることで問題なく通過した。標高790m付近で尾根の反対側に下降し、さらに赤倉沢の左側を滑り降りると間もなく鳥居に出た。3番目の鳥居が車のデポ地点で効率よくルートを滑走できた。赤倉神社ルートはいわゆる岩木山の一般ルートではないが、今回は事前の計画が生かされて大変快適な滑走となった。
岩木山頂上直下急斜面。左に見える耳成岩の上部を通過すると若干雪が途切れる箇所があった。
(百沢ルート)
コースタイム;
2本目バス12:25=リフト降り場13:10〜鳥海山13:20−百沢ゲレンデ下14:00
2本目を弥生ルートか百沢ルートかで迷ったが、本日中に八甲田へ移動することを考えて百沢に絞る。嶽温泉12時25分発のバスに乗りそのままリフトを乗り継ぐ。鳥海山山頂までやはり夏道を約10分の登行、百沢ルートへの大斜面上に出る。ルートは指導標が整備されているのでこれを外さないことだけを考えて思いきり滑走を楽しむ。大斜面とスキー場をつなぐ林間部分の地形が少し複雑だが、トレースが多くあり、問題なく百沢スキー場に出る。あとはリフトが止まったゲレンデの緩斜面をのんびりクルージングしてバス停に出た。
岩木山は独立峰でその周囲を環状道路が走り、GW中はここを臨時バスが通るので非常に便利だが、残雪状態で歩行距離が大きく変わる(当初考慮に入れた弥生ルートはスキーを脱いでからバス停までの時間を考えて百沢ルートに変更)。今回は天気にも恵まれて非常に充実した2本になったが、事前にしっかりとルート、時間を考えたことが良かったと思う。(記:守谷)
百沢バス停からコースを振り返る。左の鳥海山からの大斜面を滑降
【リーダーコメント】
- 赤倉神社へのルートは、一般コースではないので、通常の山スキー同様、ルートファインディングの必要はありますが、特に難しいことはありません。
- 伯母石付近は、スキーヤーズライトを巻く必要がありますが、今年は、少し下をスキーで巻く程度で、全く問題はありませんでした。
- 下山地点の赤倉神社までの道路は除雪が終わっており、また、携帯電話も通じますので(社務所に人がいるので電話も借りることも可能か?)、そこまでタクシーを呼ぶことも可能。- 今年は、山麓の雪が多く、神社より下も雪がしばらくあり、大石神社の手前まではスキーで行くことは可能のようでした。ただし、周回道路までは雪はありません。
- 宿(山楽)での送迎は不可でしたので、タクシーを使って車をデポしました。
- 百沢は、上部は、色々なコース取り(山頂から、途中から沢、北側の尾根筋など)ができますが、最後は、スキー場を滑ります。
- すでに、スキー場では一部は雪が切れていましたが、今年は、下部での歩きはありませんでした。
- 山頂付近は雪が少なく、前回よりも少なく、山頂に雪が全くなかったのは、今回が初めてでした。
(記:木村)
酸ヵ湯温泉の公共駐車場に車をとめて、平坦な登山道沿いのルートを硫黄岳・大岳方面に向かって歩き出す。真西に仙人岱ヒュッテをダイレクトに目指そう(1338mの南を通る)として登山道を南にそれると、1260m付近で雪がなくなってくる。藪のためこれ以上うえに行けないので、高度はそのままで横に移動して登山道に戻ろうとするが、すでに登山道からは切り立った崖で隔てられた地形となってしまっており、仕方なく沢に降りれる1200mまで斜面を滑って戻ることになった。登山道に戻ってからは、硫黄岳と大岳のあいだのコルに出る手前で水が出ており、スキーをかついで通過する。
今年は雪が多いと聞いていたので、こんなところで雪が切れているのは意外だった。コルに出て小岳を眺めると、斜面の上半分以上にまったく雪がついていない。2004年と同じく小岳を登って東斜面を滑るとなると、スキーをかついで登山道歩きをしなければならないので、小岳の南の裾野をまいて東斜面に出てから(シールで)頂上に登った。小休憩ののち、あきらさんにビデオを撮ってもらいながら、ゆっくり滑りおりる。再度シールを装着し、高田大岳に登る。高田大岳も上のほうは雪がないので、登りはじめる前に登山道のだいたいの位置を確認したのだが、やはり途中で登山道の位置がわからなくなり、最後はあきらさんのGPSで南側に200mほど戻って登山道に出た。だんだんと木々が密になってくる急斜面はシール登行の限界で中川はスキーを手にもって頭上の枝をよけつつやっと登山道に合流できた。
登山道に出てからは頭上にかぶさる木々がないのでスキーをザックにつけて頂上まで歩く。頂上で小休憩後、滑り出そうにも見渡す限り雪が全然ない・・・。先行者のあとをついて東南に藪こぎするとようやく雪の斜面に出た。見覚えのある景色が広がっていた。すでに何人もの人が滑ったあとらしく、斜面はぐさぐさだったが、少し狭い尾根を滑ると大斜面となり、気持ちよく滑る。斜度がゆるくなってきた辺りの木陰であきらさんがつくってくださったコーヒーを飲みながら休憩。あとは谷地温泉を目指して木々の間を滑る。
谷地温泉でお風呂に入っていると、バスの時間に間に合わなくなりそうになり(温泉からバス停まで7〜8分かかる)慌てるが、最悪あきらさんが回収してくれると思いついて、だらだらと歩いてしまった。バス停であきらさんの帰りを待つ。(記:中川)
高田大岳の登山道ポイント:北緯40度39分13.65秒 東経140度54分19.61秒 標高1484m
滑走用登山道藪こぎポイント: 北緯40度39分07.66秒 東経140度54分31.66秒 標高1529m
高田大岳稜線の守谷と中川
睡蓮沼に車をとめて朝から強い日差しの中、猿倉岳を目指す。睡蓮沼から見た猿倉岳はなだらかな斜面で少し高くなっているところが頂上かなというくらいなので、角度を合わせて漫然と登りはじめる。登りやすいところを登っていたら、右に右に逸れていってしまい、最後に南東方向に起動修正して、山頂到着。早めに北東にのびる尾根を見ながら登るルートがよかったようだ。南斜面は適度な傾斜のきれいなバーンで、気持ちよく滑れた。
1195mまで滑って、乗鞍岳を目指して再び登りはじめる。乗鞍岳の斜面も樹林帯の中に入ると斜面がなだらかなので頂上がわからなくなり、角度を修正しながら登る。山頂から東にのびる尾根の無木立の斜面を滑るために斜面をトラバースして回り込む。赤倉岳とのあいだのコルまでの大きな斜面はなかなか滑りごたえがあってよかった。再びシールを貼る。赤倉岳までの登りもあっという間だったが、どうも中川は木が密なところに入り込んでしまう傾向があり、滑走開始ポイントに出るのに苦労する。
赤倉岳から蔦温泉まで続く北側が崖になった東にのびる尾根に雪がついていないので、もうひとつ南の尾根と沢のあいだを滑り、850mくらいで沢を渡って北側の尾根に戻ろうとしたが、なかなか沢から離れられない。少し登るような感じで強引に北東に起動修正して、650m付近で北に崖を見ることができた。ここから先は蔦温泉に降りる場所を探すのがみるからに困難そうに見えたが、先行者が550m付近で雪がついていて崖になっていない降りれる場所を見つけてくださり、あとを行かせてもらう。無事、菅沼におりたつも、このあたりは沼巡りの遊歩道に沢が入り組んでいて、蔦温泉に出るまでに30分もかかってしまった。菅沼は東側に橋があったようなので、無理に沢を渡って西に回り込む必要はなかったようだ。
昨日とは違い、赤倉岳の稜線以外は雪があったので藪こぎになることもなくスムーズに移動できた。また、南八甲田はなだらかな斜面の山々で滑るというより歩くコースと聞いていたが、このルートはちゃんと滑りたい人にもお勧めだと思う。猿倉岳、乗鞍岳、赤倉岳とそれぞれとてもよい斜面を滑ることができた。ルートを紹介してくださった上林さんありがとうございました。
蔦温泉に入って帰る。あきらさんがバスで車の回収に行ってくださった。昨日に続いてほんとにありがとうございます。
乗鞍岳を滑る守谷さん
箒場岱7:00−雛岳9:15−箒場岱10:00
今日は鳥海山に移動する日なので、宿の朝食をとらずに出て、7:00に箒場岱から歩きだす。少しだけ箒場岱コースを行き、雛岳から北北東に延びる沢を渡って、登りやすそうなところを登っていった。昨日・一昨日ほど気温が高くないで朝のうちは雪面が少しかたかったが、適度な斜度で登りやすい。北にのびる尾根のうえを進んでいると、最後は雪庇が出てきて急斜面となり、そのまま上にいけなくなってしまったので、トラバースを余儀なくされてしまった。急斜面なので中川は2回ほどずるっといってしまったが、雪がやわらかくなってきていたのですぐとまった。途中からは左のゆるやなか沢状の斜面を登ったほうがよかったようだ。気をとりなおして、東から少し回り込むような感じで山頂到着。本当の山頂は藪の中だが、ピークハンターではないので今回は時間もないのでパス。
少し休憩したのちすぐにシールをしまって滑走開始。出だしは結構な急斜面だが、雪が適度にゆるんでいるのでとても快適に滑ることができた。木々が多くなってきた辺りで沢の中に入り、方角をあわせて、箒場岱に帰る。滑るのはほんとにあっという間だった。
雛岳は車の回収不要の半日コースとしてとてもお勧めコースです!(記:中川)
注:ルート図は登りが青で、滑ったのが赤です。
雛岳山頂の鯉のぼり
【リーダーコメント】
- 自動車の回収のためには二台の車が必要だったが、一台のため、二日目と三日目はコース変更をした。
- 酸ヶ湯から仙人岱ヒュッテへのルートは、再度、確認が必要だ。ルート取りを間違えたのか、雪が少なかったためか不明だ。
- 高田大岳の二つのポイントは、重要。高田大岳の西面は、樹林帯からハイマツ帯に変わる地点で雪が切れる。したがって、この地点に確実に到達しないと、藪漕ぎが待っている。
- 高田大岳からのくだりは、残雪の量によって異なるが、登山道から、東側の雪のある地点への最も効率よい地点をポイントなる。無論、雪の多いときは苦労しなくても良いが、少ないときは、この地点から少しの藪漕ぎで、雪のある地点に到達できる。
- 赤倉岳から蔦温泉は、最後の蔦温泉へ崖上の地形を降りる地点を見つけることが重要。今回の地点が、一番ふさわしいように思われる。前日に、蔦温泉で情報収集に行った際に、話を聞いたグループの情報だと、トレースを辿ってもっと下まで滑ったとのことだ(守谷、中川情報)。地図上では、遊歩道の一部となっている地点だ。
- 今年は、雪が多くて、蔦温泉まで行けた気がするが、例年のGWはどうだろうか?
- 赤倉岳からは、北東の急斜面を滑ることも考えていた。が、一般ルートを滑ることになった。山頂から北東斜面は、今年は、雪が切れていないようで、滑ることは可能のようだった。また、この北東斜面が無理でも、少し、乗鞍岳側の戻り、北側の比較的ゆるい斜面から回り込むことも可能のように見えた。ただし、ここを滑り降りても、蔦温泉までのルートは、全く不明だ。
- 雛岳の上りは、沢の西側の尾根を登ったが、東側の尾根でも問題なく、また、上部の雪庇に悩まされることも無かったようだ。
- 山頂(付近)から西側も南側も雪が無い。したがって、高田大岳に行くためには、東側から巻いて南側の斜面(結構面白そうな斜面)を滑り、適当なところから、高田大岳方面に行くことになっていた。なお、高田大岳の東側には雪庇が発達しているので、それをどう乗り越えるのかは不明。(記:木村)
東京から月山を滑って鳥海に来たグループは、鶴泉荘に到着後、獅子ヶ鼻や中島台を下見。八甲田組は、鶴泉荘に夕方合流。鶴泉荘では、深井グループとも合流。天候はすでに下り坂で、今にも雨が振りそうであった。夕食後、交流会。あすは、雨のようだ。
朝は、雨は降りだしていなかったが、風が強い。本日は、中止と決定。鉾立の様子を見に行くが、強風で駐車場に止めた車さえも倒れそうな気配。すぐに、下山。象潟の道の駅に寄り、その後、にかほ市内の「潮乃家」で昼食。あとは例の通り。夕食後、明日以降も天候の回復の兆しが全く無いので、すべてを中止して、帰ることに決定。ホテルまさかは、キャンセル。
朝食後、帰る準備をして、木村車、石黒車に乗って、酒田の港に寄り、土産を買い、そのまま南下。村上の「笹川流れ」の「潮成亭」で昼食を食べ、北陸道、関越道で帰る。(記:木村)