沢渡の駐車場で身支度をしてタクシーで入山口の中の湯温泉に向かう。公道から中の湯温泉までは2km余の上り坂(私道)だが、今日は泊り客の車・タクシー以外は進入不可だった。やむを得ずゲートから30分ほどスキーを担いで歩いた。
11:35ころ中の湯温泉から安房山に向け、シール登行を開始した。じきに雪面が硬くなり、リーダーからクトー装着の指示が出る。私はクトーを忘れたため、途中からスキーをザックに付けて、つぼ足で登る。
それでもパーティ全体として予定の尾根をシールで登ることが困難となったので、14:10頃,1800mあたりで尾根を離れ右手の谷に下りた。そこから上方に見える稜線まで登ることになった。稜線からは、悪雪に悩み、転びながら下降した。
山スキーの滑りの難しさを感じる一日だったが、下山後は温泉の日帰り入浴、水餃子と比内鶏スープの餃子鍋等(美味かった!ごちそうさまでした)の夕食、さらに足湯宴会と、くつろぐことができた。今回の山行は阿部さんの55回目の誕生日に当たっており、ケーキとHappy Birthdayの歌でのお祝いとなった。
中の湯温泉までの登り私道は、前日に阿部さんが宿から了承を得られ、車で上がることができた。そのおかげと、昨日ほど雪面が硬くないことにより、登りでの苦労は昨日より小さくて済んだ。さらに、登るほどに焼岳上部の眺めを楽しむことができ、登山の喜びを感じた。
11時50分頃、焼岳の釣り尾根状のコル直下、2400メートルほどの地点に至り、そこから下降することになった。
はじめは、雄大な斜面。やや曲がりづらい雪だが、部分的にパウダーもあった。ルート分岐手前で小憩の後、下堀沢に入った。そこでの滑りは、私には困難のきわみだった。ターンして谷足に加重すると、谷足がズブッと沈んでフォールライン側に転ぶ。ターンを躊躇するとU字状の谷では下降が進まない。昨日に輪をかけて転びまくりながら、リーダー上林さんの後を追った。もう一寸幅広の板を使えば良かったかもしれない。それにしても谷足加重に修正を加えた滑り方が必要なのか。
下山後、中の湯温泉で入浴する。この旅館のロビー、そして男湯の露天風呂からは前穂等の穂高連峰がきれいに望めた。角度が少しずれると見ものが手前の低山に隠れてしまうので、絶好のロケーションである。
(山科 記)
下堀沢下降(豆のように見えます)