20時に東京を出発。G.W.の初日であることに加え、1000円効果の影響で高速道は混み気味。何とか翌朝の4時前に「道の駅鳥海」に到着し、仮眠をとる。
7時に起床。天気は快晴。鳥海ブルーラインの入口の開門が8時であるので、駐車場確保のため7時半に道の駅を出発し、朝食は大平の駐車スペースでとる。
大平から御浜小屋までは、出だしは少々急な斜面があるが、途中からはダラダラと歩く感じ。小屋に近付くと、1週間ほど前に降った新雪で真っ白な新山が見えてくる。本日の目的地は文殊岳であるが、今回の大きな目的の一つである千蛇谷の入口のある扇子森の東側を偵察するために少々回り道。入口から見ると、滑り込みも、登り返しも問題なさそうな斜面である。ここで昼食をとった後、文殊岳へ最後の登り。文殊岳に到着し、頂上から見下ろす真っ白に染まった千蛇谷が見事である。頂上からは千畳ヶ原まで標高差500mの滑走。海に向かってスケールの大きい斜面に滑り込む。雪も上質で各自が十分に堪能できた。
千畳ヶ原で雪質のチェックをしてから帰路へ。私は扇子森に上り返そうと思ったが、当初の予定通りに二の滝口への夏道沿いに上がり、鳥海湖の南側を通るルートが早そうなのでそちらを辿る。見た目に騙されてはいけない、反省。鳥海湖から御浜小屋の台地に上がる斜面は急斜面のトラバースが不安であったが、トレースもしっかりしており雪面も柔らかいので問題は無かった。登り返し地点でシールを外して大平の駐車場まで滑走。緩斜面でも雪が融けておらず、気持ちよく海へ向けて滑る。途中、私のリードミスで登った斜面から1つ東の斜面に入ってしまったが、元の斜面へ林間をトラバースすることができた。地形図をきちんと確認しなかったことを、また反省。
駐車場からブルーラインを秋田側から下り、にかほ市の「鶴泉荘」へ。宿の温泉と料理で疲れを癒す。
昨日前日の天気予報通り、前日とをは全く変わって曇り空。鉾立駐車場から上はガスで視界がなさそうであるが、とりあえず御浜小屋へ向けて出発。鉾立駐車場横の夏道からスタートすると、道の雪が融けて板を担ぐ必要があるため、途中で谷側へトラバースする。途中、視界は一向に良くならないが、GPSと地形図を見比べながらゆっくりと登る。
3時間弱かけ、やっと御浜小屋に到着。視界は5m弱といったところ。これ以上登っても楽しめないので、ここから滑走へ。さあ下るぞとスタートした途端、視界不良で淵が見えず、深井さんが鳥海湖側の谷へ落下。かなり心配したが斜度がそれほどでもなかったこと、雪が柔らかかったことが重なり、怪我もなく、つぼ足で登ってこれたのを見てホッとする。
今度は慎重にルートを確認しながら、深井さんを先頭にホワイトアウト状態の中、各自の間隔を離しすきないように下る。途中、加藤さんと私も先頭を交代しながら下るが、この視界がない無い中のルートとりは本当に難しい。特に先頭で滑ると水平感覚がおかしくなり、気分が悪くなる。駐車場手前でやっと視界がクリアになり、駐車場までトラバースをして終了。
午後は時間があるので獅子ヶ鼻湿原へ。湿原の見学というよりは千蛇谷コースの終点ポイントの確認。(獅子ヶ鼻湿原から林道を登るとすぐに雪があるが、林道終点に橋は無く、鳥越川の水量も多いため渡渉は無理。右岸は藪で雪がなく今年は難しい。深井記)(補足をお願いします>深井さん)。変形ぶなと新緑は綺麗であったが、「鳥海まりも」は色がいまいちか。結局3時間ほど滞在し、「鶴泉荘」へ戻る。
(田中 記)
今日も天気は今ひとつ。祓川ルートへ行くことにする。海側ではないので、天候には左右されにくいという深井Lの情報通り、頂上付近まで山が見える。真っ白だった海側の斜面に比べ、土色のマダラ模様になった雪面が印象的だった。メジャールートという事もあって、随分人が多い。七ツ釜非難避難小屋を越して、しばらくすると、雲の中に突入した。深井Lを先頭に直登。人の声が聞こえるのに、周りがほとんど見えない。あっ、という声で、頂上到着を知った。スキー協の団体に七高山頂でばったり会ったのだ。深井L田中SLが知り合いに挨拶して、雲の中での昼食タイム。
風はないがこの視界の悪さなので、お勧め百宅ルートでは遊ばずノーマルルートを滑降。雪質は湿って昨日よりも滑りづらくなっていた。 途中雲が切れ、視界が広が る。こちらも大パノラマ!大きな鳥海山からみる景色は本当に雄大だ。時間があるので、ピットを掘る事に。4月最終週末に降った雪が80cmほど。その下はクラストした雪層。その後、快適な斜面を滑ったら、あっと言う間に駐車場着。山菜に詳しい深井Lの下、たけのこを探すが、簡単には見つからず。おつまみにふき味噌にしよう、とふきを採って宿に戻る。夕食時に見える夕日がとても綺麗だった。
朝から快晴。心配していた気圧の谷が南にズレたようだ。今日こそは千蛇谷を目指して頑張るぞ!と気合を入れる。8時前にゲートに着き
、鉾立から少し山形側に行った駐車スペースに車をとめる。登り口が直ぐに見える場所だ。さすがはブルーライン3日目。
時間との闘いだという意識が共通して、いいペースで御浜小屋着。今日は巻かずに扇子森に登り、そこでシールをはずして2日に偵察した場所から千蛇谷に滑り込む。150150mダウン。高度を落としたくないのでトラバース気味にトロトロとしていたら、深井Lから、早くこっちに降りて!と声が。岩が上にある斜面で陽の影響で雪が落ちやすいから素早く行動するように、と説明を受ける。シメカケを通らず無事千蛇谷到着。細やかな情報提供をしてくれた彰さんに感謝!ここからシメカケの辺りまでが急登。風もなく暑い。シメカケを過ぎたところから風も吹き、緩やかな斜面になったので救われた。相変わらず太陽はギラギラと輝いている中、新山を目指して登り続ける。この天候によって雪は緩み、新山手前も苦もなくクトーもアイゼンも全く不要で登る事ができた。
山頂からは、鳥海の大斜面の白、空の蒼。そして遠くには海が見える。コントラストが素晴らしい景色であった。昨日居た七高山も見える。七高山から新山へは急な下りがあり、ちょっと危ない感じであった。2回も山頂に立たなくてもいいのにね〜、地元の人にしたらびっくりするよね、なんて話しをしながらゆっくりと昼食を取り、滑降開始。千蛇谷は、本当に絵になる。美しいのだ。ビデオを撮ってもらいながら滑降を楽しむ。本当に気持ちの良い滑降だった。シメカケからは谷の北側を取る。人があまり行かないので大斜面を独り占め。素晴らしい景色の中、滑りを堪能した。大満足!千蛇谷降下点に戻り、シールを付けて登り返し。夕暮れ時の千蛇谷と新山が見える場所で再びまったり休息。人の少なくなった静かな鳥海山を楽しんだ。そこから16時着を目指して一気に降りる。17時のゲート閉めに間に合わせる為にはいつもバタバタだ。先頭をやらせてもらう。2度も登って滑った場所なのによく似た分岐に記憶違いがあり、所々迷う。う〜ん、難しい。地図と地形の確認、慣れるまでまだまだ時間がかかりそうである。キラキラ光る海に向かって滑り込む。無事駐車場到着。ブルーラインを山形に降り、海に立ち寄る。断崖絶壁の日本海をバックに、遠くから鳥海山を望む。
新山山頂にて
千蛇谷、新山を背に扇子森への登り
4泊して愛着の沸わきだした部屋を後に東京へ向かう。トータル4000m以上登ったのに疲れがあまり溜まっていないのは、温泉に入りのんびり夜を過ごせたおかげかも。道の駅などに寄りながらのんびり月山に向かう。
月山、雲の中。せっかくだからと姥ヶ岳まで登ることに。スキー場を越した辺りから10m近い強風。月山も、ましてや鳥海山も見えず、すぐに滑降開始。荒れると怖い山である、そんな事を実感した。素直にゲレンデを降りてきて、無事下山。公園で遅い昼食を取って、温泉に入って15時半。
GW最終日の渋滞を心配していたが、磐越経由で常磐自動車道へ周った判断は正しく、22時前に自宅着。長い長距離運転、深井L本当にお疲れさまでした!
(加藤 記)
{深井メモ}:鳥海ブルーラインの夜間通行止めは山形、秋田側共17〜8時。好天日に駐車場は混む。鉾立から400m程大平側の駐車スペースは比較的空いている。鉾立から夏道の尾根は雪がなく階段となる。鶴泉荘は1泊2食5800円、素泊まり3500円。現在自炊客がほとんどいないので鍋、食器等は無いので注意。道の駅鳥海、西川で山菜を売っている。特に西川は種類も多く安い。
今年は3名と参加者は少なかったが、その分小回りが利き行動もスムーズに出来ました。本当に良く登り、良く滑った楽しい5日間でした。参加の田中さん、加藤さん、ありがとうございました。