2009年5月 毛勝山・白馬大雪渓 山行報告

5月18日(月)

 前日朝、新座駅前で集合して潟見車で関越道を行く。発車早々から話題で盛り上がり上信越道の藤岡分岐を見落とし、長岡回りで北陸道を南下。魚津から片貝川に沿って山に向かうと、正面に毛勝山三山、その右には剱岳、そして毛勝山の南西コルに突き上げている毛勝谷の雪は稜線まで切目なく続いているのが見える。発電所に隣接する片貝山荘の玄関前で荷を降ろす。揚水ポンプを回すが蛇口から水は出ず、発電所の取水口から炊事用とトイレ用の水を得る。片貝川の瀬音は轟くが電灯が使えるのは有り難く、平日の今日は貸切。

5月19日(火) 終日快晴

阿部木谷、猫又谷、白馬大雪渓 片貝山荘700m(6:00)= 阿部木谷駐車場 875m(6:30)− 雪渓末端1050m(7:40)−阿部木谷駐車場 875m(8:40) = 南又谷林道ゲート750m = 猿倉1235m(14:15)−白馬大雪渓途中1800m(16:10)−猿倉1235m(17:45)


 片貝山荘から東又谷を少し走って、新緑あふれる阿部木谷に入る。右岸道から左岸道に移ると残雪にはばまれるが、都合よく広場があり駐車する。板を背負ってとぎれとぎれ雪が残る砂防工事道を登ると、年配の登山者達が降りて来る。雪渓末端で渡渉をせまられ登山を断念したとか。朝イチの登頂ムードは一気に後退するが、現場を見ないことには納まらない。雪渓の末端から流れ出た水は飛石伝いで靴半分ほど。荷を置いて空身で雪渓の末端を登り上流を見るとその先は問題なさそう。しかし切れ落ちた雪渓の末端を板を背負って登るにはアイゼンを要し、下山時の午後には雪解け水の増水が予想される。阿部木谷〜毛勝谷〜毛勝山は断念して、猫又谷〜猫又山に転進とする。前週の山スキーMLでは、スノーブリッジを辛うじて渡ったが次週は?とあったが、その通りになった。
 車があると目的地の変更が容易で助かるが、東又谷を下り南又谷を登ると発電所のすぐ上で非情なゲート。 潟見さんの経験でこの時期ここから猫又谷を登ると、滑りを楽しめる雪面までは3時間以上の歩きとか。とても猫又山の往復は無理と分かり、歩行距離の短さで白馬大雪渓に再転進とする。全国的な暖冬・雪不足で、覚悟半分・期待半分だったが、毛勝山の快適なスキー登山は五月連休か翌週が限界かも。北陸道・糸魚川から姫川沿いに入り、道の駅で昼食をゆっくり頂いて猿倉に着くと、ここもブナの新緑あふれるほど。野鳥や山野草は数知れず、今回も博識のお三方からご説明頂くが、5分もすると忘れてしまう。3年も繰返し憶えようとすれば身に付きますよと言われては消え入りたくなる。この不出来な生徒は50年も登山を続けて常に認知症とは。
 金山沢対岸を過ぎ、砂防工事道が山道になる頃から雪が続く。この一帯は平年並みの残雪。板を履いて白馬尻に至ると、広大な大雪渓が一望される。今日は時間的に稜線までは行けず、いくら登っても似た様な斜面とて滑りに移る。夏の雪渓に見られるスプーンカットは未だ無いが、雨の流水で出来た雪面の縦溝でショートスキーは安定性が悪い。再び砂防工事道を板を背に猿倉まで歩き、もう一泊の予定を早めて帰る。
(直井 記)

毛勝三山概念図


阿部木谷 雪渓末端


毛勝三山と剱岳