2009年4月 利尻岳・十勝三段山 個人山行報告

4月24日(金) 天候:晴れ

稚内港フェリー乗り場に函館、苫小牧、札幌、帯広、旭川、上川から北海道勢が集まり、井上、安仁屋さんは道央で一泊、岡安は羽田からの直行便、逗子の自宅を8:40発、誰よりも遅く出たことになる。
14:20発、この日の鴛泊行最終便に乗船。私は1995年7月に利尻岳に登ったが、その時はもっと小さい船だったと記憶している。同行の井上さんも船が立派になったものだと言っておられた。行く手の海の向こうに真白い利尻岳が浮かんでいる。本当にカッコのいい立派な山だ。今回は移動用に久保田車をフェリーで運んできたので何かと便利。今夜は鴛泊フェリーターミナルの軒下に稚内行きの最終便が出たあと、テント泊。ターミナル入口にある噴水の水で米を磨ぎ、乗客待合室の乗船手続きなど記入用の机にお菜を並べて立食だ。マメな久保田さんが函館から運んだ自家製野菜にテントの中でブツ切りにした新巻一 本を入れた三平汁、鍋が小さくて、ちと塩辛かったけれど、しっかりとしたシャケの味はこれぞ北海道!ふかしたジャガイモもおいしかった。


4月25日(土) 天候:晴れ

鴛泊フェリーターミナル(6:00)=雄忠志内川林道駐車地 240m登山口(6:28)―右尾根970m(9:07)―クトー装着1230m(10:30)―豊漁の沢源頭歩行アイゼンに変える、スキーデポ1455m(11:29~11:45)―利尻岳1718,7m(12:30~12:55)―スキーデポ地1455m(13:28~13:44)〜駐車地 登山口240m(14:49)=鴛泊フェリーターミナル(15:20)=稚内港(18:00)


起床4:30、炊きたて飯に昨夜の三平汁は水で薄めて増やし丁度良い味、納豆などの朝食。2班に分け出発。オチウシナイ(雄忠志内)川沿いの林道を標高210mまで車で入る。先発組、野坂、久保田、小野田、岡安はシールですぐに出発。広い沢床を対岸へ。右の尾根をゆるやかに登っていく。970mで後発組とほぼ合流、疎林がいつの間にやら無木立の雪の斜面になり豊漁の沢へと右方向に枝沢をトラバースしながら登っていく。
 1230m、対岸に長官山が大きく見え出した所でクトーを着け豊漁の沢源頭の広大なカールをトラバース。長官山避難小屋が下方に見える。  1455mでスキーデポ。歩行アイゼンで最後の登りだ。間もなく夏道に合する。時間的にも雪がゆるみ急峻だが登り易い。しかし頂上は前峰に隠れ見えないので、いつまで続く登りかと最後は辛かった。利尻岳(1718.7m) 12:30~12:55 全員登頂。無風、快晴、無言、ニコニコ。海、どこを見ても海、標高差1500mの登りも海の眺めに気をとられ楽に登れた。トップを行く野坂さんのコース取りとペースが素晴らしかったといえよう。
 下りは慎重に、しかし足取り軽く、スキーデポ地にもどる。スキーを履き豊漁の沢源頭を滑りはじめて間もなく池田さん転倒。そのまま100mほど滑落。幸い源頭はゆるやかなボールになっていたので自然に止まりほっとする。あとで聞くと靴が歩行モードのままだったそう。危ない、危ない!
 その後は一同気を引き締め、往路を基線に良い滑降斜面を選んでは豪快、快適に滑り、駐車地に滑りついた。利尻岳の雪の大斜面に舞う我々9人の姿はちょっとしたものだったと思いたい!安仁屋さん曰く、「つぎつぎといい滑降斜面があらわれて実に楽しかったなー。又やりたくなってくる」・・と。
 順調に下山できたので、天候次第で欠航になる連絡船ゆえ出来ることなら稚内に戻ってしまうのがベターと大急ぎで乗船支度をして、16:20発稚内行き最終便に乗船。船中で本日、山中で出会った唯一の登山者で頂上からの滑降に失敗した若いカップルを見つけ、ホッとした。頂上稜線でスキーを背に急いで下山する若い女性にあったが、ご主人が滑降中滑落したので助けに行くとのこと・・危ない所ではなく動く姿も見えていたそうで、我々は静観したが、船中で元気なお二人を見て心底安心した。こちらもビンデイングの固定が甘かったのか、2ターン目に外れたのだそう。気をつけましょう!
 稚内港に着くと三浦Lは当然のように北防波堤ドームにテント泊と決め込んでおられる様子。夏場はテントであふれるそうだが今夜は雪が舞いそうな寒空、トイレは夜間閉鎖で・・帯広の矢野氏が上手に言ってくださったお陰で女性二人と男性三人は稚内海員会館に素泊まり(¥3600)とした。その前にみんなで稚内温泉童夢に一浴、郷土料理の“網本”で打ち上げた。


4月26日(日) 天候:晴れ

8時、羽田直行便の岡安を空港に送って頂き、それぞれの方面に解散。 ◎?念願の利尻岳で山スキーを満喫できたことを、とてもうれしく誇りに思う73歳の私でした。三浦先生、みなさま、ありがとうございました。 (岡安 記)



4月27日(月) 天候:晴れ、4月28日(火) 天候:曇り 白銀荘(泊)

参加者:三浦(L)、安仁屋、井上(記録)、[函館]久保田 4月24?26日に利尻冨士を順調に終えたので予備日で今シーズン最後のパウダーを楽しんだ。前日の26日に北海道東部は大荒れ、大雪に見舞われた。道央の十勝連峰にも新雪が降った。27日の夜も降った。 27日は好天で三段山頂上から西の谷を滑った。頂上直下は前日の強風で新雪が飛ばされガリガリであったが他は良好、特に森林限界から下はパウダー。 28日は曇で上部は視界不良のため頂上行きは止めて樹林帯の4月末とは思えないパウダーを楽しんだ。  (記録:井上) (岡安 記)