3月28日:昨晩からの雪が、まだちらついている。6時半すぎに民宿「まさご」の入口に集合。清水集落の脇からすぐにシール歩き開始。夏道の入り口を目指す。
軽いラッセルを交代しながら二子沢川の橋を越えるといよいよ登りがスタート。最初は斜度がなかったため、メンバー全員でラッセルを交代しながら登っていたが、井戸の壁に入ると一転きつい斜度のラッセルに苦戦。こんな時待ってましたとばかりにラッセルの達人の上林さん、室岡さんが登場。後方のラッセルなしで難儀しているメンバーを残して考えられないスピードで登っていく。メンバーみな感謝、感謝。
なんとか井戸の壁を越え、再びメンバー交代でラッセルしながら前進。標高1400mを越えた辺り、森林限界地点を過ぎると天候が回復してきて太陽も顔を出し始める。このときにはまだ頑張ったラッセルの分だけ今年最後のパウダーが満喫できるのではと考えていた。
ニセ巻機山手前のいつもは硬い斜面も今回の積雪でクトーなしで登行できた。上林さんの巧みなルート取りにもまた感謝。
ほぼ予定通りにニセ巻機山に到着。タイムリミットの14時までにはまだ時間があるので少々疲れ気味の私と阿部さんを避難小屋周辺に残し、残りの6名は頂上を目指す。14:40過ぎに頂上到着。写真を撮影し、登り返しがあるためシールをつけたまま下降。
避難小屋で再び合流し8名となりニセ巻機山へ登り返すと、トトンボ班の5名と合流することができた。あの大きな荷物でこの標高差を上がるのは大変だっただろう。写真撮影をした後こちらはシールを外して滑降開始。
上林さんを先頭に、ちょっと重めの新雪を気持ちよく滑っていくが、標高1500m付近からのお楽しみの斜面に入ってビックリ。2時間ほどの間の直射日光と気温の上昇で雪が重々になっている。怪我をしないよう、無理にターンをせずに木々の間を滑っていく。折角の楽しみパウダーを期待していただけにガッカリ。雪質の難しさを痛感した。
下降するにしたがって悪化するモナカ雪に苦戦しながらなんとか耐えていたが、残り標高差200mくらいのところで私が転倒して直径5cmほどの木に腰を強打。結構痛みがあったのでヤバイと思いつつ、何とか清水集落までたどり着いたが痛みで板が担げない。また上林さんに板を運んでもらい何とか宿まで到着。
夜は「やまご」で美味しい料理の後の宴会。この雪質のため一部には翌日どうしようかという弱気な意見もあったが、室岡SLの「行こう」の一言で出発時間も決まり、就寝。
(田中 記)
昨日、腰を負傷された田中さんは電車で先に帰られ、8人で清水集落をつっきって柄沢川の河原に向かう。昨日は山の中でまったく人を見かけなかったが、今日は何パーティーか道路沿いに車をとめてスキー・スノーボードの準備をしていた。広い河原を300メートルほど登り、南北に走る巻機山〜柄沢山の稜線に直角にまじわる稜線に向けて、堰堤の手前900メートル地点から北向きに急斜面を登りだした。アイスバーンに新雪がのっている急斜面で、先頭の室岡さんと山科さんが苦労して道を切り開いてくださるも井戸の壁よりもきついくらいの傾斜なのでとても時間がかかってしまった。昨日と違い雪が降り続いていてときおり視界も悪くなるので、今日は無理をせず1340メートル地点から引き返すことになった。
2007年に登ったのと同じルートをとったが、1340メートルの稜線まで出る斜面が相当に急で山スキーには適していないので柄沢川を最後までつめてダイレクトに登るルートのほうがよいのかもしれない。同じく柄沢山を目指してられた2パーティーの方々はその方法で1600メートルくらいまで行かれたらしい。
雪質は一見気持ちよさそうなのだが、滑るときしむような重い新雪にスキーがささりまくって手ごわい・・というか苦痛すら感じた。こけるとスキーを引き抜くのに一呼吸置いて数分かかるほどのたいへんな雪だった。湯沢で温泉に入って帰る。
今回は、室岡さん・上林さんはじめ強力なメンバーに支えられて無事巻機山に登れました。行く前の天気予報がいまいちだとか不安な点もありましたが結果としてたいへん楽しい山行となりました。本当にありがとうございます。トトンボ班のみなさんも大人数山行の別パーティーということでご協力ありがとうございました。大人数になってしまった会山行は、グレード?というか行きたいエリアで2パーティーくらいに分けると行動しやすくなりますね。
(中川 記)