2009年2月 唐松岳 個人山行報告

2月7日(土)

栂池に向かう野村さんの車に空きが有るので乗せてもらい、久々に八方尾根から冬の唐松岳に登ってみました。風はあるものの快晴の空が広がります。以前登ったときとは違いゴンドラとリフトを乗り継ぐと一気に1850mあたりの八方池山荘まで行けるのでファットやボードを持った私に比べると若めの方たちがスノーシューで登ってゆきます。
彼らが途中でいなくなり大きなザックのパーテイに続きますが彼らも午後天候が崩れると見たのか途中でテントを張るようです。尾根筋のコースはラッセルもなく丸山をすぎて尾根が細くなる手前でスキーをデポしてアイゼンに変えて山頂に。
2696mの唐松岳山頂は12時50分に着きました。午前中の快晴も次第に雲が広がりグレー色に。しかしまだ視界のほうは素晴らしくアルプス全体を見渡せます。
一人ぼっちの山頂も風が強いので10分ばかりで下りました。スキーをつけてしばらく尾根を下りましたが2361mあたりから北側の無名沢に滑り込みました。数週間前雪崩事故があったところなので注意しながら少し粘っこい深雪の斜面を1650mくらいまで下って東側の広い斜面に。無名沢はここから廊下状に真っすぐ唐松沢まで続いていて滑り下りたくなる部分ですが、この時期下ってしまうと出るのに大変苦労することになります。
少し休んでもっと東側のガラガラ沢のエッジの部分を登って尾根に戻るルートをとりましたがところどころ急斜面のラッセルもあり尾根にある八方山2000m付近に戻るのに2時間もかかってしまいました。リフトの終了したスキー場についたころには天候の下り坂もあり薄暗く硬いコブか続く斜面を下るのは疲れましたが夕刻に下のゴンドラの駅に着きました。 数週間後、唐松山頂付近で滑落事故がおき2名の方が亡くなりました。山頂からの下りで2名が黒部側に滑落、その後1名は富山県警に救助されるも1名死亡、救助しようと残ったそのパーティの2名のうち1名の方が滑落し亡くなってしまった事故になりました。
風の強い稜線で雪も硬く雪洞を掘るのも難しい場所で救助に残るのも大変です。滑落自体は技術的な問題としても事故が起きた時点でのパーティの救助対応に問題を感じる事故でした。 事故後どう対応すべきか。我々だったらどう対応しただろう・・・。

(村上 記)