2009年2月 吾妻 五色沼・西大嶺 会山行報告

2月20日(金)

 金曜20:00赤羽駅集合。昨年の反省はスタートが遅かったことが上げられるので、早めに東京を出発する。首都高から東北道に入り、0:00を待って福島西で高速を降りる。途中から振り出した雪がやや強くなる。コンビニで買い出し後、近くの公園でテントを張る。雪は既に10cm程度積っている。早く低気圧が通過し天候が回復することを祈りつつ軽く宴会後就寝。


2月21日(土) 天候:くもり

高湯温泉8:30…不動沢登山口9:30〜9:40…慶応山荘分岐11:30…1680m地点12:00〜12:05…五色沼稜線12:30…五色沼北西撤退地点12:50〜13:00…1760m小ピーク下13:30〜13:50−1465m地点14:10〜14:30ー吾妻スキー場上部14:55ー高湯温泉15:25

 朝起きると雪はほぼやんでいるが、20cmほど積っただろうか(5:30)。お湯を沸かし朝食をとりテントを撤収して出発する(6:50)。15分ほどでタクシー会社に到着。車を置かせてもらい、したくをして高湯温泉に移動する。除雪終了地点では2組ほどが出発の準備をしていた。小雪はちらついているが風は弱い。天候の回復を期待して予定通り出発する(8:30)。
 トレースをたどり樹林帯を上る。ほどなく先行者に追いつきラッセルを代わる。林道を2回ほど突っ切り不動沢登山口手前で休憩(9:30〜9:40)。ここから上林さん先頭で進む。樹林帯を赤布に沿って上り、慶応小屋分岐で先頭に追いつく(11:30)。ここから尾根に上っていく。1680mの小ピークで記念写真(12:00)。樹木がまばらになり視界が開けてくるが徐々に雲行きが怪しくなる。稜線手前の急斜面を間隔をあけながらトラバースし緩い沢筋を上って行く。後ろからは2グループ程が続いている。五色沼の稜線手前から風が強くなり雪面はクラストしている。稜線に上るとかなり風が強くなり、他のグループはここで下ると言って引き返して行った。
時間はだいぶ余裕があるので先に進む。雪が部分的に飛ばされて地肌が出ているので、板を手にもって進むが風が強くてなかなか前に進めない。清水さんがよろめくのを後ろから声をかけながら前進する。強風帯を抜け板を履いて沼の縁を進む。急斜面のトラバースなので間隔をあけながら。沼の北西の吹きっさらし地帯まで進んだが、風は強くなる一方で、ここをクリアしたとしても、一切経のコルやその先の強風地帯は抜けられないと判断して撤退を決める(12:50)。風にさらされたみんなの顔が10歳ぐらい老けて見えた。
 往路を五色沼を過ぎた1760m小ピーク下の沢筋まで戻ると風も弱まったのでシールを外す(13:30〜13:50)。尾根筋を上林さんを先頭に滑る。雪は降りたてなので滑りやすい。しばらく下ると、2人組が結構な荷物を背負って上ってくる。家形山の避難小屋まで行くそうである。我々もと思ったが、寝具を持っていなのであきらめる。慶応山荘の下で休憩(14:10〜14:30)。
しばらくして地元の山の会(福島登高会)の2人が滑り降りて来た。五色沼の稜線から不動沢を滑って来たらしい。林道を滑るよりはスキー場跡を滑ろうと思うと相談したら、彼らもそちらに行くつもりのようでここから一緒に行動することになる。1380m付近から左側に進路をとり、しばらくして吾妻スキー場跡に出る。ほどよい斜度のゲレンデをそれぞれが思い思いに滑る。ゲレンデの途中から林道に戻り高湯の出発点に戻る(15:25)。
 ありがたいことに、福島登高会の2人に車でタクシー会社まで送ってもらう。  予定が変わったので当日の宿を色々と検討したが、岳温泉の素泊まり施設に決定。温泉に浸かりながら、持ち込んだ食材と近くのコンビニで追加買い出ししたビールで宴会。夕食は切干大根のたらこソース和え、レタスと韓国海苔のサラダ、チゲ鍋。吾妻小舎まではたどり着けなかったが、楽しい一夜となった。


五色沼の稜線トラバース


2月21日ルート図(赤が上り、青が滑走、オレンジ点線が昨年)


2月22日(日) 天候:晴れ

グランデコスキー場トップ9:40…前衛ピーク11:10…西大嶺1981.8m11:25〜11:50−1890m地点12:05〜12:10…前衛ピーク12:20〜12:30−ゲレンデ上部13:20−ゲレンデ下部13:50

 チゲ鍋の残りを雑炊にし朝食とする。岳温泉からグランデコスキー場に移動しゲレンデトップから西大嶺を目指す(9:40)。上林さんをトップに樹林帯の中のトレースをたどるが、雪がさほど深くないので、途中でトレースを外しやや東に向かう。雪面もまぶしく穏やかな中をトップを交替しながら上って行く。やがて他のトレースに合流し稜線に出る。
前衛ピーク付近でかなり風が強くなったので防寒対策をし、ひと上りで西大嶺の山頂だ(11:25)。ボーダーらしき連中がいたようだが既に滑り降りたようだ。山頂を少し西側に外すと風も弱いのでシールを外して一休み。視界も開け磐梯山や飯豊山の展望がすばらしい。西吾妻小屋から西吾妻山へ向かっている登山者も見える。
東側の広いオープンバーンへ上林さんから一人ずつ滑り込む。ほどよい深雪でみな気持ち良さそうだ。その先は樹林帯なので南側へトラバース。右上の前衛ピーク付近から気持ち良さそうに滑り降りる2人を見て、もう一度シールを付けて上り返し前衛ピーク下の深雪を楽しむ。ここから私を先頭に往路を戻るが、樹木が密で滑りにくい。右側の谷筋が多少木の間隔が空いているようなのでそちらを滑る。それでも林に視界を妨げられトップの滑った方向が分かりにくいので、後続にはホイッスルを吹いて方向を示す。1650m付近で右の沢に入らぬように左にトラバースぎみに滑りゲレンデに出る。最後にレストハウスでみな好みのクレープを食べ山行の〆とする。クレープをほおばる笑顔が2日間を物語っているようだ。

風が強く吾妻小舎にはたどり着けなかったが、岳温泉でゆっくり泊まり、西大嶺の深雪も味わうことができた。五色沼の稜線手前で充分な防寒対策をとるよう指示できればよかったと思うが、結果として撤退は適切な判断だった。今後行う場合は充分天候が安定した時を選びたいと思う。また、五色沼周辺のルートであるが、昨年より東より、尾根の左側を通っているのが分かる。

(藤澤 記)


西大嶺山頂にて


2月22日ルート図(赤が上り、青が滑走)