前夜発で三国峠のトンネルを抜けても道路は雨に洗われた状態、22時に着いたみつまたの駐車場もコンクリートむき出しだ。明日の雪は大丈夫かなとつぶやきながら2人車中泊する。朝方除雪車の作業の音で目覚めれば外は雪が激しく降っている。ホッとしたと同時にリフトが動くかどうか心配する。仮眠所で寝た人たち4人と7時半に合流しロープウェーに乗る。
かぐらゴンドラを降りたが、かぐら第一高速リフトは強風のため運休で、短いかぐら第1ロマンスリフトしか動いていない。それより上はとりあえず第5ロマンスリフト終点までシール登行と言う指示でシールを付けてリフトに乗る。降りてすぐゲレンデの木立の横を登っていく。10時20分、木立でない所は強風が吹きつける。
寒い。高速リフト終点より上は樹林帯だ。先行トレースはない。藤澤さん先頭にラッセルしていく。結構の深雪だ。先頭は藤澤さんが大半だがそれ以外は少しずつ交代しながら第5ロマンスリフト終点下の物置場に12時20分に入る。が、強風は容赦なく吹き抜け寒さはしのげない。20分あまりそこで休憩し食事を取ったが、その間にスキーヤーやボーダーが「トレースありがとう」と入ってくる。が、さすがにここより上を登るのはいない。われわれもリフト側樹林の中を和田小屋まで滑り13時20分に到着、そこで休んだ。その後3時ごろまでゲレンデで短いリフトで各自思い思いに滑る。ゲストの角田さんは滑りは上手だし登りの体力も十分にある。会員希望を出しているそうだ。日帰り組みはその後下山・帰宅した。
(潟見 記)
一晩中雪混じりの風が吹いたが、和田小屋のゆったりしたお風呂で暖まり、私たち4人で一部屋をもらってぐっすり眠る事ができた。翌朝、風は収まったが、昨夜の強風の為リフト点検に1時間ほどかかる。しかも昨日と同じかぐら第一ロマンスリフトのみ運行だった。早朝発の中尾根山行は半ばあきらめムードで、リフト横の深雪を適当に滑る。ようやく第一高速リフトが動いたのが10時過ぎだった。出発のタイムリミットが11時とのリーダー判断で、あわただしく第一高速リフトに乗る。
11時、リフト終点でビーコンチェック、初めてシールを貼ったゲストの角田さんを2番手に室岡さんがトップで登り始める。雪は全体に少なめで、まだブッシュが埋まりきっていないが快適な脛上の深雪だ。11時40分、今日は先行グループのトレースがあるので楽に第5ペアリフト終点まで上がる。15分ほど休憩。風が吹き荒れた昨日とは打って変わって穏やかな天気になった。登るにつれてガスが上がり、中尾根手前のコルにトラバースする頃は青空も見え出した。
12時35分、中尾根の頭に到着。すっかり遠くの山並みまで見えるようになり、今から行く中尾根が大きな動物の背中のように見える。しかしまだ雪が足りない感じで、藤澤さんが以前快適に歩いたという西斜面は針葉樹がけっこう高く、私たちは忠実に尾根上をたどった。先行グループが、東の大斜面上でピットを掘っていた。やはり昨日来の深雪が雪崩れないか一抹の不安がある。先行グループはほとんど女性で、全員ヘルメットの完全な山スキー装備のようだった。次々に斜面に飛び込んでいく彼女達を、室岡さんと藤澤さんはうらやましそうに見送っていた。
ゲストの角田さんは滑りに関してはまったく問題はなく、私たちは一段下の東斜面のノートラック深雪を頂いた。腰まで粉雪が舞う全く気持ちの良い一本だったが、まだ深雪が不安な私はちょっと弱腰。もう一段下からトラバース気味に高度を落とし、「キャーこわいいいー」の掛け声でようやく3ターンほどがまともに滑れた。
下でカメラを構えた室岡さんの「思い切って体を前に」の声にも励まされ、先輩はありがたいな、と改めて思った次第です。それからもう一つ先輩が有り難かったのは、昨日、シーズン初のラッセルで小屋に戻ってから内腿のスジがつり山行がとても不安だったが、潟見さんから頂いた漢方薬「芍薬甘草湯」のお陰でまったく問題なく山行ができた事だった。東斜面滑降後、ゲレンデ寄りに沢を下ったが、沢中はブッシュがうるさく、ヒヤヒヤしながら新しい板を操作した。藤澤さんの指示と室岡さんの上手なコース取りで、和田小屋前に14時着。和田小屋に預けた荷物を引き上げ、ゲレンデを2本滑って帰宅の途についた。
(由布 記)
(1) 1/10滑走ルート
(2) 1/11滑走ルート
(3)(4) 1/17滑走ルート
(5)(6) 1/18滑走ルート