2008年1月 妙高 火打山 会山行報告

1月18日(金)

22:20 武蔵野線の新座駅に集合、曽我部の車に曽我部・村上・大西・ウォルフ、川久保の車に和田・川久保が乗り込み7人全員で出発。
(1/19) 1:13 ランドマーク妙高高原に到着。早速風呂に入り、先に到着していた上林チームと一緒に一杯やる。
(1/19) 3:00 就寝。仮眠室はまだ空きマットが目立っていた。


1月19日(土)

7:30 ゆっくりと起床。上林チームは既に出発したらしい。持参したラーメンやサンドイッチを食べる。
9:10 宿で予め共同装備を分け、パッキングし、登山服に着替えて車で出発。
9:35 杉の原駐車場着、ゴンドラとリフトを乗り継ぎ三田原第3リフトの最高点に達する。有り難いことに天気は高曇りで風は弱い。
10:57 シールを付け出発。日帰りらしい登山グループが数パーティーいて我々と前後して出発する。ちょっと登ると大きな沢の横断となる。ここは過去に雪崩が起きている場所で要注意の所である。
12:00 沢を無事通過し、先行パーティーのトレースを利用しながらゆっくりと登り、大休止となる。この休みを利用してウルフがピットを掘り、積雪の状態を調べると表面から50cmと70cmの所にスラブがあり、その面が滑り易かった。
13:00 出発。林の中を右手を山側にしてトラバース気味に登って行く。
13:45 三田原山の稜線に達する。
14:48 川久保はこれまで5度ほど三田原山に来ているがいつも3月から4月にかけてであり、1月に来るのは初めてである。3月は稜線にブッシュが出て来て雪庇も大きく発達しているのだが、今回はいつもより雪庇の出が少なくブッシュも全部雪に覆われている。三田原山に達した後シールを外し、林の中をウルフが先頭、村上がラストという順序で黒沢池方面に滑降開始。
15:24 途中深い沢にぶつかりその左岸伝いに滑って行くと沢が消えて黒沢池が見晴らせる所に着いた。ここから先は木々がなく、雪の積もった広く静かな湖面が良く見える。今日はここにテントを張る(N: 36°53′58.2″/ E: 138°05′58.8″: 2150m)。皆で足踏みして6人用の大きなテントサイトを作る。シャベルで雪のブロックを切り出し西側に積む。雪面から30cmくらいは雪が柔らかくてブロックが作れず、それより深い層からしっかり固まった雪質を得る事が出来た。
17:10 ようやくテントを張り終え、荷物を全部テントに入れて6人の席も定まり落ち着いた。エアーマットに空気を入れようと思うが唇がこわばって息が漏れ、思うように空気を入れる事が出来ない。それだけ寒いという事であろう。先ずはコーヒー用のお湯を作り始める。
21:20 腹一杯食べ、就寝。


1月20日(日)

5:05 起床。天気予報では九州は朝から雨、関東甲信地方は夜から雨との事。
6:35 朝食終了。テルモス用のお湯を作り出発準備。
7:45 スキー道具、食料、防寒具、アイゼン、ピッケルのみを持ち出発。黒沢池に向けて直滑降である。高曇り、風弱し。
8:15 黒沢池の対岸に着き、シールを付ける。これより斜め右上方(茶臼山方面)に登る。踝まで埋まる程度のラッセルである。
8:55 稜線に着く。ここから忠実に稜線通しで火打山を目指す。
11:00 小ピークと火打山の間のコルに達した。ここから雪面が固い事が予想されるのでクトーを付ける。
11:50 それ程固い雪面もなく、むしろ踝までもぐってラッセルしながら火打山の頂上に達した。白馬・剣など北アルプスの山々がハッキリ見え、富士山も見える。事前の週間天気予報ではこの週末は芳しい予報ではなかったのでこんなに素晴らしい景色を見る事が出来るとは嬉しい番狂わせである。風が非常に強く寒いので記念写真もそこそこにウルフにリードされて頂上直下の雪庇の下の緩い場所に行き休憩する。この場所は風が完全に遮蔽されて気持ち良く、ゆっくりと食事をし、シールを外す事が出来た。
12:15 スキー滑降開始。ウルフはあっと言う間に滑り下って行ったが、こちらは深くて重い雪に足を取られて何回か転ぶ。
13:00 火打山のコルを越え、小ピークを滑り下り、稜線に着く。ここからは上り下りがあるのでシールを付ける。
13:45 茶臼山に着き、これから黒沢池に向けてシールをつけたままの滑降となる。先頭のウルフは殆ど直滑降の雷光的なターンでシール無しと殆ど変わらぬスピードで池に降り立った。大西もきれいなターンで滑り下りたが川久保も含めてあまりスキーが得意でない者達は深い雪にズルズルとスキーを滑らせながらゆっくりと下りて行った。ここからテント場までのゆるい登りは本日の山行の疲れがドッと出て来てつらいものであった。
14:45 ようやくテント場に到着。昨夜は荷物を全てテントに入れ互い違いに寝たがえらく窮屈であったので今夕はテント生活に不用な物をリュックに入れて外に出す事にする。
18:00 下界での生活ならとても考えられぬ時間に夕食が終了した。夕食後、ワインやコーヒーなど飲みながら楽しく語り合う。
20:00 就寝。余分の荷物がなく、配置が良かったせいか皆ゆっくりと寝る事が出来た。

1月21日(月)

5:00 起床。雪を溶かしコーヒーを飲み、テルモスに入れるお湯を作った後で朝食に取りかかる。
8:00 ようやく朝食終了。今回の山行は5個のボンベを持って来たが、その最後の5個の半分程使用してしまった。テントとフライの間には我々の煮炊きの蒸気が入り込んで冷えた為かうっすらと雪のシャーベットが付着している。
9:00 起床から4時間かけてようやく出発となった。昨日からの積雪が少ないせいか、来た時のトレースが残り、それに沿って三田原山に登り返す。
9:51 三田原山頂上直下で休憩。頂上を左に見ながら巻いて稜線に上がる事にする。下界は濃い雲海がたなびいていて何も見えないが2000m以上の山々はその雲海から突き出ていて良く見える。今日は吹雪を覚悟していたが好天で良かった。
11:03 妙高山の外輪山を形成する三田原山の尾根の南東端である2300mの地点付近(N: 36°53′04.4″/ E: 138°06′27.6″)でシールを取り、妙高のお釜に向けて滑降準備をする。先頭を果敢に下りて行ったウルフや大西の後に続くも重くて深い雪に足を取られて転倒する。傾斜はきついが雪が深いので転んでも滑落の心配は無い。ルートは滑降開始地点から斜め左にトラバース気味に行き、その後若干右方気味に下りて行く。
12:00 ウルフや村上ならこの滑降に10分とかからなかった事であろうが、私の足前では1時間ほどかかってやっと谷底に降り立った。三田原山側の壁は急傾斜、妙高山側は緩やかなので妙高側の斜面(即ち南地獄谷の左岸)をトラバース開始する。
12:15 陽の当たる場所で大休止。晴れて風弱し。
13:15 快調にトラバースして行くと、硫黄の匂いがして来た。高度が下がって来て例の雲海に突入したからか、火山ガスによるものなのか分からぬが視界が急に無くなって来た。右側の谷は急に広く深くなりゴルジェ状の荒々しい地獄の景色がガスの間にかいま見られた。シューシューと蒸気の噴き出す音も聞こえる。ここでシールを付け、斜め左上にトラバースしながら少しずつ登り、尾根を目指した。ところどころに先人のトレースが見える。
13:35 尾根に着きシールを取る。ここからウルフを先頭、村上を殿にして尾根筋を逸れぬようにしながら滑って行く。一回転ぶと起きあがるのに体力を消耗し、やっと立ち上がって滑り出すと疲れていて足に力が入らず又転ぶという状態でウルフ・村上などスキー技術の上の人なら1時間で下れるところを3倍以上の時間がかかってしまう。
16:21 左には大きな沢が見え、ゲレンデに行くにはこの沢を横切らねばならない。以前来た事がある曽我部の記憶と先人のトレースに導かれて沢が急に浅くなる所に出て来た。左下方に20m程トラバースすると沢の底に着く(N: 36°53′7.1″/ E: 138°09′20.9″: 1000m)。ここから先行トレースは階段歩行で対岸の尾根に登っているが沢が浅いので苦労せず尾根に達する事が出来た。そこからゲレンデに行くには水平道を200mほどトラバースしなくてはならない。
16:34 やっと赤倉観光リゾートスキー場のゲレンデに着いた。
17:02 ギリギリで杉の原行きのシャトルバスに乗り込む事が出来た。今日は下りにえらく時間がかかったが最後にはツイていたので「終わり良ければ全て良し」である。
17:30 杉の原駐車場に着き、靴を履き替え出発。
18:00 ランドマーク妙高高原に着き荷物の整理をした後風呂に入る。無事に山行を終えた後の風呂は最高の気分である。
22:45 武蔵野線新座駅到着。ここで解散。

(川久保 記)