ゲレンデへ向かう車の自然渋滞で到着がやや遅くなったが、先日の寒波で新雪が積もりおまけに真っ青な空が広がる安定した快晴である。山スキー初心者にはもってこいの日和となった。リフトを降りた地点でシール装着、ビーコンチェック、各自準備運動をして歩き出す・・・とスムーズな出発風景を書きたいところだが、私(由布)は山スキー初体験。大坪リーダーの的確な指導がありながら、あせるので何かと時間がかかってしまう。
10:32鈴木さんの膝下ラッセルでなだらかな丘状の尾根を登る。シールとはこんなにも効くものなのかと驚く。同時刻に歩き出したクロカンのグループが、少しの登りで苦労している。
11:56三合平から、適当なアップダウンを繰り返し1596m地点で小休止。思った以上に暖かく、衣服などを調整する。ここに来るまでにラッセルの練習をさせてもらった。「蹴り上げるように」とのアドバイスに最初はなかなかうまくいかず、板が雪面に出てこない。足元ばかりに気を取られてコースが読めない。汗みずくである。
13:05昼食1734m地点。冬枯れの木立の間から白い山々が見え、まぶしいばかりの陽射しだ。途中、立ちゴケまでしてしまって起き上がるのに大汗をかき、やけにポカリスゥエットがおいしい。先輩達は余裕の登りで、GPSの練習などに余念がない。このあたりは視界が利かない天候の場合、迷いやすい地形だ。鈴木さんはこのコースに来た事が無いから参加されたそうだが、上るにしたがって昔歩いた記憶がよみがえり、GPSと記憶の両方で避難小屋までリードして頂いた。
13:42武尊避難小屋前に着く。初心者の足前を考慮してここから同じコースを戻る事になった。主稜から東に延びる尾根の滑降を期待しておられた先輩方には申し訳ない私の足前でした。
15:02シール再装着 ブナ林のなか若干の上り返しあり、シール着脱の実地練習。午前中の陽射しでやや湿雪になり、途中ワックスを使ったりする。
15:46 リフト上部
15:58 ゲレンデ入り口
宿を出る時点でかなりの風。昨日とは打って変わって吹雪の中を出発する。最初は林道歩きなので、午前中に行ける所まで行って様子をみる事となる。
07:16スキー場下部の林道・硫黄沢左岸を靴上のラッセルでゆるやかに登る。時折強い風も吹くが、見通しは十分利く程度の風と降雪。
08:29橋を渡り右岸へ。硫黄川はほとんど流れが出ており、もし白尾山へ上がれたとしても滑降下部の冬路沢のスノーブリッジは望めそうにない。
09:04富士見下山荘跡
現在はしっかりした山荘(小屋?)が建てられている。脇にりっぱなトイレもあるが両方とも閉められている。ここから林道をショートカットの登り。先頭の鈴木さんがぐいぐいシールを効かせて深雪を割って登り始め、小林さんもためらいなく登って行かれるので私も「うっそー」と思いながら真似てみる。
10:20七曲上部・行動停止(昼 食)
登るにしたがって風が強くなり、吹き溜まりでは道が雪の斜面になっている。膝あたりの雪になるが、せめてラッセルのコツくらいは掴んで帰りたいと結構がんばる。七曲上部、湿原手前で行動停止。ツェルトを使って風をよけ昼食。暖かいココアにホッとする。下山開始前にプローブの練習。180cmの深さがあり、間の氷のような硬い層や地面の感触も分かり、意外に手に感じるものだなと実感した。
11:06下山開始
林道をショートカットの深雪下り。私は四苦八苦。転んで起き上がったはいいが、動転して山側に向かってキックターンをする始末。何とか気持ちの立て直しを図って再チャレンジ。どうにか大股開きで下ってきた。(←ボーゲンとはとても言えない。)
11:26富士見下山荘跡
下部は雪の下に小さな流れがあり、林道に戻って滑る。
12:01ゲレンデ入り口 終了
オフピステ初心者の感想
ゲレンデ外に出たことのない私にとって、滑る意識を変える良い経験になりました。
もっと練習と経験を積んで、大自然の美しさ厳しさを求めて冬山に入り、安全に戻ってくる為の山スキーをしたいと思います。武尊山の青いモンスター達にはまた会いに行きたいものです。大坪リーダーの初心者へのご指導と山行計画に感謝致します。
落ち込み気味の私に、「ファイト!」のエールを送ってくださった先輩方、有難うございました。
(ゲスト由布 記)