08:30栂池高原ゴンドラリフト乗り場で全員集合、ご対面。ゴンドラに乗り、上のリフト1本乗り継いで出発地点へ。積雪はあまり多くなく、ラッセルもそれほど苦ではなかったが、かえって通常直登するところに雪がなく山道に沿って歩く部分もあった。
13:40には天狗原の祠の場所に到着。パタゴニアの強風にも耐えた安仁屋さんの強靭な6人用テントと4人用テントを並べて建てる。その間、天気が少々回復、白馬乗鞍岳が見える。2つ玉低気圧の擬似晴天であろうが、天狗原から白馬乗鞍岳はすぐなので、急いでテントを完成させ一滑りに出かけることにする。
15:00遠藤さんと新しいブーツで靴擦れができてしまったクリスさん以外の6名で乗鞍岳を目指す。山頂少し手前から滑り出し、気持ちのいい滑りを満喫する。夜、安仁屋テントの中で8人、村上さんの特製石狩鍋を食べている間に気圧がどんどん下がり、星空が一転して天気予報通り吹雪となる。軽い方の4人用テントは不在中にもさすがに飛んでしまうことはなかったが、丸い入り口を使い慣れない私達の閉め方が甘くて、寝るために戻ったらテントの中が雪だらけになっていた!! 雪掃除後に就寝。
クリスさんの靴擦れ、悪天候もあり、下山することになる。9:00テントを撤収して出発の予定にした。ところが宴会・食事会場となり暖かかった安仁屋テントのポール結合部分が凍結し、なかなか手でははずせなくなる。体が大きく力が強そうなクリスさんに頼んだが、彼も一部しか手では取れず、テルモスのお湯をかけて溶かしながらポールをたたんだ。
09:50天狗原出発。基本的には昨日登って来たルートを降ることになる。しかし一晩のうちに50〜60cmはあろうと思われる重い新雪が積もっていて、スキーが全く滑らない。トップが潜ってしまうと、はまってしまい地獄だ。いつになったら滑れるのかと思いながら、ずっと降りのラッセルだった。長丁場になるので1人約5分づつ交代でラッセルをする。吹雪で時々突風が吹く。天狗原は風が強くてもどちら側かに少し降れば風は弱くなることが多いが、この日はどこまでも強風、休む場所も見つからないまま歩き続ける。15:50スキー場に到着、さすがスキー場だけある、やっと滑れるようになる。16:40栂池高原ゴンドラリフト乗り場の栂の湯で暖まり、和田さん別宅?(大学山小屋)にお世話になりました。山小屋と聞いていたが、とても居心地がよくて素敵な別荘と言った方がいいでしょう。
今回の山行はハードでしたが面白い山行でもありました。スキーを履いていながら登りより降りの方がこれほど時間がかかったのは初めてでした。また、自分の持っていたギアが吹雪の中、凍って使い物にならなかったり、いろいろ改善しなければならない点も見えました。クリスさんに「アメリカでもこんなにラッセルしたことある?」と聞いたら、「ラッセルしたことはあるが、この悪天候諸々、総合的に今までで一番ハードな山行だ。」と言っていました。悪天気でもノー天気なヴォルフはラッセルとルートファインディングを満喫し、充実した週末だったと言っている。
1月7日 夜 山小屋で打ち上げ
皆で遠藤さんの煮込みうどんの朝食を食べる。ゆっくりした後、09:30には筑波組と遠藤さんが出発、ヴォルフと私は懲りずに別荘裏の佐野坂スキー場に向かい午後5時間たっぷりゲレンデスキーを楽しむ。村上さんと和田さんは最後に小屋を閉めて帰路についたそうです。
余談ではあるが、ゲレンデスキーの後、ゲレンデのシャトルバスで白馬駅に向かった。バスの運転手が私達の姿を見て「山スキーですか?どこに行ったのですか?山の天気はどうでしたか?」等々、根掘り葉掘り聞いてくる。何でこんなに興味を示すのかと思ったら、最後に「テレビに出ていたお二人ですか?」と聞かれた。テレビは見ていなかったが「いや〜、多分違うと思いますが・・・・」と答えておいた。その運転手は白馬駅で私達を見送る時まで、なぜか私達を疑いの目で見ていた。後で知ったが、山ノ神ルートで夫婦が遭難、後で自力で下山していた。遭難した夫婦がふらふらシャトルバスに乗るとも思えないのだが、どうやらその2人と間違えられていたらしい。
大西 希(記)