2006年4月 知床岳 個人山行報告
★知床岳(1,254.2m)
念願の"知床岳をスキーで行きたい"をかなえることができました。
富良野の会友、三浦さんが早くに今期の計画を会報に開示してくださっていたので、早速お願いし、二人だけになってしまったが実現した。
- 日程 : 2006年4月7(金)〜10日(月)
- 参加者 : 三浦忠(L)、岡安トキ(記録)
4月7日(金)
旭川空港から、三浦車で。上川を過ぎ層雲峡は吹雪だった。北見からは晴れ間も見え、斜里、羅臼、道路の終わる相泊まで、すばらしい北海道の雪景色を堪能しながらのドライブ。
初日は相泊、道路終わり近くの駐車場で泊。マイカー登山の便利、快適さを知りました。知床峠への除雪最終地点にある地元で管理している熊ノ湯の露天風呂(男女別、無料)はとても良かった!
4月8日(土) 晴れときどき曇り 初め風あり、後無風
最終駐車地7:15〜カモイウンベ川左岸崖下海岸登山口7:50〜二俣8:55〜知床岳頂上13:00/14:00〜崖下海岸登山口15:00/15:07〜相泊駐車地15:45
昨夕、最奥の駐車地まで入ろうとしたがナダレの危険があるためとかで、ゲートが設けられ、17時〜7時の夜間はクローズ。歩くと1時間はかかる距離なので、翌朝(4/8)7時を待って車で入れる所まで行って海岸に駐車。
シールをつけたスキーで登山口まで海岸を歩いていく。少し風が気になるが海は穏やか。カモイウンベ川左岸台地から入山するのが一般的のようだ。すでに足跡があった。海岸から5mほど雪のガケを登ってから、スキー歩行となる。しばらくは美しい樹林を行く。二俣で・474(国土2.5万)のある中間尾根を頂上台地へ。
上部急斜面150m位は歩行アイゼン。氷結はなかったがシール登りの限界を超える急登。慣れないアイゼン登行に疲れ、頂上台地漫歩は地図上で想像していたようにはいかず、ガスで視界は悪くなり最後の登りになるまで、ひたすら頑張るのみ、ずいぶん長く感じられた。頂上に到着。ちょっとモヤッて、ガスが流れ、大展望とはいかなかったが、広い開放感あふれるのびやかな眺め。風も無く永年あこがれていた知床岳に登れた喜びをしずかに味わう。
下山は頂上台地よりカモイウンベ川右俣源頭へ。青いおだやかな海に国後島が浮かぶ。おちゃちゃ山がきわだって白い。海に向かってドロップ、広いカールの急斜面、締まったいい雪、凹凸なし1,000m→450m位まで圧巻だった!でも私にとっては快適に・・ではなく、疲れた足の負担がきつい。自分のスキーの未熟さを思い知った。三浦さんに上体はかぶせたままで、足の屈伸で筋肉を休ませるのだと教えられた。こんな斜面をゆとりで滑れる人が本当の達人、私は終始緊張して押さえまくっていたものだ。
源頭部カールが終わって広い明るい沢どうしに滑る。下部で一部水が出ている所があり右岸を二股へ。二俣からは、今朝来たトレースどおりに登山口へ。おだやかな樹林の台地が今日の疲れを癒してくれる。最後の海岸歩きは、かもめの鳴き声を聞きながらヒールフリーにしたスキーで。打ち寄せる波は春の藍色で穏やか。知床山行の忘れ得ない風景だろう。
知床岳は意外にスキー向きの山であった。登りも思っていた以上に楽だったし滑降は一級品だ!羅臼の露天風呂に入って、道の駅の駐車場で泊。
4月9日(日)
登山口(565m)10:20〜藻琴山頂上11:45〜登山口12:25(999m)
道路脇の駐車スペースでシールを付けて登りだす。天気良し。キャンプ場を過ぎ心地よい林をぬけると頂上直下の大カールだ。頂上から南方真下に屈斜路湖が白い。帯状に見えるのは融け始めた水か?頂上直下の大斜面とそれに続く美しい樹林帯を、駐車地へ。
この時期、内地では考えられない、ふわふわのパウダーを滑った。たった2時間と思えない充実感のある山スキーだった。日曜日なので、駐車地に5〜6台の車があった。北海道はこんな山スキーができる山が近くに一杯あるのだ。
この日は北見にある市原女史のお宅に泊めていただき、クワンナイ遡行以来の旧交をあたためた。4月10日は市原さんも一緒に富良野、白銀荘泊まり、4月11日、早朝三段山一本滑って、旭川空港12:35発で帰京した。
三浦さんという達人と2人で、山スキーができるチャンスに恵まれとても幸運でした。登り、下り、支度・・すべてに遅い私につき合っていただき、アクセスからなにまでみんなお世話になり、本当にありがとうございました。とてもすばらしい楽しい北海道山行でした。
(岡安 記)