2005年 立山周辺(真砂沢・御山谷) 会山行報告
日程 : 2005年5月21(土) 前夜発〜23日(月)
参加者 : 榊 陽(L)、池田和行(SL)、成瀬恵美子(会計)、田中建次郎(撮影)、
大坪俊郎(記録) 計5名
【コース】室堂ターミナル―立山室堂山荘〜(称名川滑降)〜雷鳥沢下―剣御前小舎(泊)〜(真砂沢滑降)〜真砂沢出合―剣御前小舎〜(雷鳥沢滑降)―雷鳥荘(泊)―室堂平― 一ノ越〜(御山谷滑降)―黒部ダム―扇沢
5月21日(土)
室堂ターミナル0945……室堂山荘1000――雷鳥沢下(2,300m)1010〜1030……剣御前小舎(2,750m)1240(泊)
大観峰からタンボ平を見下ろすと、ブッシュの影が少なくいつもの時期より雪は豊富だ。室堂ターミナルに集合した5名は壷足で室堂山荘へ、称名川沿いに右岸を滑降。雷鳥沢下でシールを張り御前小舎直下の沢を登り詰めコルに至る。まだ時間は若い。天気もよく体力を持て余す若者は足慣らしを兼ねて、剱御前の肩から剣沢小屋に向けた剱沢滑降に歓声を上げる。
5月22日(日) 晴後雨
剣御前小舎0715……別山0745……真砂沢下降点(2,790m)0800〜0810――真砂沢出合(1,755m)0900〜0920……剣御前小舎1230〜1330――雷鳥荘1400(泊)
真砂沢ルート図
天気予報では午後から雨で雷が伴うと。別山を稜線通り辿り真砂沢下降点に立つ。ちょうど別山トラバース路の分枝標識がある地点。眼下に真砂沢の上部を大きく開けた全景を望む。足元は表面がザラメ雪、下層は堅氷の最高の雪質。バックルを締め滑降モードにして雪面を踏み締めエッジで切れを確かめて、池田SLを先頭にメンバーは次々と真砂沢に飛び込んで行く。
やがて長い滑降も終り、出合でシールを付けて剱沢の長い長い登りとなる。剣沢小屋あたりで予報通り雨が降り出し、雨具を取り出す。ジムトレーニングに励んでいる榊リーダーはすこぶる好調に足を進めている。
全員ほぼ3時間で御前小舎へ。小舎で昼食を摂るも風も強くなり、ガスも出始め天候は悪くなる一方。濡れるのを覚悟で小舎を出て、雷鳥沢は沢芯を滑る。称名川を大きく上流部に迂回して、雷鳥荘下に至る。幸いティバーリフトが稼動していたので楽をして雷鳥荘に到着できた。
衣類は濡れたが温泉と乾燥室が完備しているので、明日の行動に支障はない。
剣沢を登り返す榊、田中、大坪さん
5月23日(月) 晴後小雨、雷
雷鳥荘0730……みくりが池温泉0800〜0810……室堂平0820…… 一ノ越山荘0915〜1000――御山谷(2,275m地点)1025――滑降終了(1,550m)1050〜1100……黒部湖川口(徒渉)1200〜1230……ロッジくろよん1400……ダム1430
夜半の雨は朝には上がり、山肌は薄っすらと白化粧している。雄山の肩から朝陽が顔を見せ、天気はよさそうだ。みくりが池温泉前からシール登高を開始。一ノ越山荘(2,705m)で御山谷の様子を尋ねるも特に注意報なく、雪、谷の状況も平年通りとのことで、徒渉を覚悟し下ることにする。
御前小屋からの大日岳、剣岳
御山谷はスケール大きく滑れども滑れども大雪原が続く。日本オートルートの入り口となる鬼岳鞍部への斜面は沢芯まで龍王岳からのブロック雪崩で被さっている。見上げる獅子岳西面は幾筋もの沢筋がなだれている。ヨーロッパアルプスとも遜色ない景観に圧倒され、成瀬さんは筆を休める暇がない。田中さんはデジカメ撮影で多忙。
御山谷ルート図
御山谷右岸中間の2,275m台地は10周年記念行事の際、先人が下見している。ザラ峠の頭へのトラバース路を目視するも、なかなか苦そうな個所が見受けられる。獅子から雪崩のリスクもあり、2年前に経験ある森さんがここは条件次第と報告している。
やがて南下していた谷は大きく東に曲がり、1,550m地点で雪が少なくなり、谷割れで滑降終了。本来コースは右岸通しだが、偵察したところ初めは左岸がよいのでスキーを担いで左岸を行く。途中雪渓を利用して右岸に移る。1,500mで一旦川原に降りるが深淵に行く手を阻まれ、ブッシュと残雪の中を高巻き、赤布を見つけ川原に下りる。ダムへの登山路は左岸に渡らなければならず、やむなくここで徒渉となり、すこし上流部の浅瀬を見つけ冷たい雪解け水に足を浸す。「ロッジくろよん」までは、地形図上で3本の沢筋がクロスしており、その度に徒渉を避けて上流部に岩をへつり、雪渓にステップを刻み活路を開いて対岸に渡る冒険的行動を求められた。黒部ダム堰堤を渡る頃には雨となり雷鳴も轟く中をトンネルに逃げ込めた。扇沢へのトロリーバス乗り場で大勢の観光客の視線を受けながら、着替をして今シーズンの山行装備を納めた。
(大坪記)
費用参考 :
アルペンルート運賃 往路扇沢→室堂\6,280(\5,460+スキー\210+ザック10s以下でも25リットル以上だと\210+黒部ダム駅から室堂まで更に\400) 復路黒部ダム→扇沢\1,470 (\1,260+スキー\210 帰りはザック代取られなかった。人により違うのか)
宿泊代 剱御前小舎\8,400 雷鳥荘\8,340(温泉付)
(成瀬 補記)