2005年4月 谷川岳芝倉沢 個人山行報告

日程:2005年4月2日(土) 天気晴れ

参加者:村上(L)、田中(撮影)、田原、小久保(記録・報告)

2月14日
行程:ロープウェイ天神平駅8:10・・・熊穴沢鞍部9:10・・・トマの耳10:45〜11:15・・・一ノ倉岳手前鞍部12:35〜13:00・・・一ノ倉岳13:30〜13:45――虹芝寮手前標高900m付近14:30〜15:00――土合橋15:30

天気は、これ以上ない快晴。ロープウェイ乗り場で集合し、天神平へと向かう。さらに上の天神峠へのリフトはまだ運行していないので、村上リーダーを先頭にシール登行を開始。30分弱ほどで天神尾根にあがる。前方には真っ白な谷川岳がすばらしい。
熊穴沢を過ぎ、雪質も堅くなり傾斜が増しているため、村上リーダーからクトーを装着との指示が出る。キックターンの練習と言うこともあり、直登せずにジグを切る。私は、去年よりは進歩したのかキックターンが多少はうまくなったような気がする。と、思いきや、標高1700m付近で、キックターンに失敗し10mほど滑落する。登高サポートが2段目だったので、キックターンするときにクトーの刃の効きが悪かったのだと思う。サポートを無しにして登高再開。その後は滑らずに登高できた。 肩の小屋を見つけると、トマの耳はすぐそこ。天気も問題なし。さて、ここからが難関、一ノ倉岳までの稜線は歩行アイゼン装着で向かうが、田中さん・小久保はアイゼン初体験なので、少々緊張。アイゼンがぐらつかないこと確認して稜線へと向かう。
アイゼンを履くと冬山に立ち向かうという気がする、履かなくても冬山だが。この稜線、夏は東側がスッポリ切れ落ちているのが見えるが、今は巨大雪庇で見えないので気が安らぐ。
アイゼンを履いて緊張したのは、トラバースと下り。トラバースは、足を引っかけないようにバランスを崩さないようにと、下りでは踵だけ雪面につけるのではなく爪全てをつけるようにと、このあたりは経験しかないのだろう。とは言うものの、アイゼン履いて歩くってなんだか気持ちいいと、私だけか?


一ノ倉岳への最後の登りをヒーヒー言いながらなんとかこなし、頂上へ。下を見るが、急斜面なので直下は良く見えない。下の方は、芝倉沢の広大な斜面が見える。さっそく滑降の準備をする。村上リーダーを先頭に間隔をあけて滑り込む。が、上部の急斜面はカチカチアイスバーンが広がっており、ターンが難しい。村上リーダー、田原さんはうまいもので、難なく滑っていく。田中さんと小久保はターンするのがやっと。技術の差を見せつけられる。
急斜面を終え、斜面が狭くなってくると、雪質は柔らかくなり重くなる。落石、デブリがほとんど無いのが救い。S字谷が前方に見えてくるが、なかなか着かない。結構距離がある。途中一息ついて、いよいよ狭いS字状の谷に入る。こちらもデブリ・落石はほとんどない。谷の中で、上には雪庇も見えるのでやはり緊張。最後の右カーブに来ると、左岸からのデブリに行く手を阻まれる。が、先行者が多かったので、デブリにトレースができており楽に通過、一安心。
傾斜がゆるみ、広くなったところで大休止をとる。村上リーダーのザックから缶ビールが登場し、周囲を驚かせる。後は川の右岸を土合橋まで進む。登りもあるので踵をあげて進む。沢の出合での徒渉はなかった。下から見上げた岩峰群と一ノ倉沢は日本離れして圧巻だった。 スキーを終えて水上温泉街を抜けた所にある温泉、木村苑(露天風呂で混浴!?)で入浴し、駅前で豪華夕食を取り帰宅した。

感想:日帰りであったが、私にとっては2・3日間と思えるぐらい充実した山行だった。今までの山行の中で、一番緊張感を持ったのではないか。滑降も距離が長く、雪質もカリカリから湿雪までと、総合力が試される内容だった。やはり谷川、恐るべし、近くて良い山。また、念願のアイゼン歩行もでき、アイゼンでの下り、トラバースの難しさが実感できた。シール登高はまだまだだし、滑りもまだまだと欠点ばかりが目立ったが、今後につながる充実した山行であった。

(小久保 記)