2005年4月 会津駒ヶ岳 会山行報告
日程:2005年4月9日(土)−10日(日)
4月9日(日)
抜けるような青空の下、雪解けの沢水が音高く響く。急登を避け、林道、夏道から左にそれて、上の沢を眼下に見下ろしながら森をトラバースする。
斜面は予想に反して急になり、ジグザグ登高でのキックターンに手間取りながら、尾根に取り付く。しばらくクトーを着けて登高するも、痩せ尾根で岩が露出し雪のない箇所も多いので、シール登行を諦めて、スキーを担ぐ。皆へばり気味な中で、リーダーの土屋さんだけは元気。清水さんも土屋さん田中さんの励ましで痩せ尾根を登り切り、尾根の上端に出てほっと一息。小休止。
再びシールを着けてブナ林に入り、急斜面を登る。1400m付近の共同テレビアンテナの辺りから傾斜が緩やかになり、先ほどの消耗が嘘のように清水さんも元気を取り戻して、笑顔になる。小休止。やがて、ブナ林が切れて1700m付近からシラビソとダケカンバの樹林帯になり、距離を稼いで小休止。1900m付近から樹が疎らで視界が開け、無木立の真っ白な大斜面、会津駒の雄姿が迫って来た。何というたおやかな稜線、美しい雪山なのだろう。
更に高度を稼いで稜線に取り付き、土屋さんと田中さんは今後の山行の為に駒ノ小屋の様子を見に行き、私たち3人は一路山頂へ。とうとう1200mの標高差を登り切った。2時、山頂到着。青空の下、何処を見ても残雪の山また山。燧ヶ岳、日光白根、磐梯山……限りなき眺望が拡がる。しばし、魅入られたように見とれた。そこで、遅い昼食。パンなどの行動食でつないで来たので、お握りが旨い。ちょうど5個持ってきたので、皆に一個ずつお裾分け、異口同音に「旨い!」と嘆声が上がる。やはり山ではお握りは貴重だ。
予定より遅れたので下大戸沢へは下らず、往路沿いの下山と決まる。いよいよ、山頂からの大滑走。眼下に遮るものなき広大な斜面が拡がり、日に照らされて雪面はパラフィンクラフトというのか、水晶のように光っている。だが、雪は湿雪でも硬雪でもなく、予想に反して軽い。スキーが軽快に走る。爽快!!これぞ山スキーならではの醍醐味。皆、思い思いのシュプールを描き、思い切り滑走してから自分のシュプールを振り仰ぐ。感激のひととき……。
大斜面の滑走を満喫し、谷をトラバースしてやがてブナ林に入った。しばらくの間、樹間を滑走できたが、雑木林に入ると雪が重く、木が立て込んで滑れず、斜滑降での藪こぎの状態が続く。林道が見つからず、少々焦ったが、まもなく林道に出てひと安心。断崖から雪が雪崩れて、ブロック雪崩の跡が何カ所もあり、そこを越すと後はスイスイ、16:40に滝沢橋に到着。宿の温泉に入りビールで乾杯。このビールが美味しかった。下戸で呑めない赤崎さんも、この時ばかりはグラスを挙げた。
4月10日(日)
翌10日(日)は、疲れと満足感から、山スキーは取り止め温泉行に決定。朝食を済ますと、早々に樹林荘を辞し山間の木賊温泉へ。渓流の露天風呂というので、清水さんも期待して来たが、混浴なので泣く泣く旅館内の温泉へ。
絶えざる渓流の音を聞きつつ、露天風呂に浸る。湯質も残雪の渓谷の眺めも、素晴らしく、疲れがしだいに癒されていく。まさに至福のひとときだった。
今回、御池まで除雪されていない燧ヶ岳への山行を取り止め、会津駒ヶ岳だけに絞ったが、満足度の高い山行でした。最後にリーダーの土屋さんに感謝、そして同行の田中さん、赤崎さん清水さん、お世話になりました。(関 記)
あぁ〜しんどかった。快晴の会津駒は360°すばらしかった。頂上直下の一枚バーン、この時期としては滑りもよい。宿に帰ると温泉、焼きたてのイワナ、御酢をかけると紫からピンクに変わる大根おろし、最後は蕎麦アレルギーの女将さんによる十割そば、朝食のきのこご飯とどれも温かみがありました。山スキーに行ったのに、癒しの一泊旅行という感じがしました。翌日は木賊温泉(河原の共同浴場)で二日酔いを抜いて帰ってきました。私をのぞいて・・・
(ゲスト赤崎 記)
GPSによるルート図