2005年3月 佐渡山・乙妻山 会山行報告

日程:2005年3月19〜20日(1泊2日 テント利用)

参加者:杉原鉄夫(L)、小林迪子、潟見 隆、蓮見英史(記録)

[行程]
3/19(土)黒姫駅前9:00=潟見車=9:15戸隠大橋10:00・・・11:10佐渡山鞍部方面 登り口の尾根付近テント設営 佐渡山に向け出発12:30・・・12:55佐渡山鞍部・・・13:25稜線1673m・・・14:00佐渡山(1827m)14:20→往路を滑降→14:45帰幕
3/20(日)幕営地6:05出発・・・6:45佐渡山鞍部6:55→7:10氷沢川シール着ける・・・8:05北東尾根出合(1360m)8:10・・・8:55大斜面の下部(1650m付近)9:10・・・大斜面の登り・・・11:05稜線鞍部(2230m)11:15頂上手前コブでスキーデポ・・・11:32乙妻山(2318m)11:40・・・11:45小林さんコブまで到着、スキー滑降準備12:00→北東尾根大斜面滑降→12:40大斜面の下部(1650m付近)12:50→13:05氷沢川出合シール着ける13:15・・・14:20佐渡山鞍部14:30→14:50幕営地撤収15:25→15:35大橋=潟見車=黒姫駅前解散

3/19(土)晴れ
杉原さん、小林さんと私は東京から新幹線―ローカル線乗り継ぎで黒姫駅到着。車で前夜発の潟見さんと合流、荷物を積んで出発。戸隠大橋の駐車スペースはすでに10台ほどの車で埋まり、我等の車は最後の空きスペースに入った。シールを着けて林道を歩く。佐渡山鞍部への登り口の尾根上にテント設営したが風が吹き抜けるので、目の下の沢のほとりに張り直した。
今日は黒姫・御巣鷹山まで往復の予定だったが、テント設営で12時を過ぎてしまい、リーダーの提案で佐渡山に行き先に変更した。風邪気味の杉原さんはテントキーパーで残ることになり、3人で出発した。やや急登の尾根を登り、佐渡山南鞍部に出た。テントが1張りあった。鞍部から右(北東方面)にカジを切って、広い気持ちのいいブナ林の斜面を登る。佐渡山稜線(1676m付近)に飛び出すと、山容の全貌が視野に収まる。深く浸食された谷が形成する馬蹄型の稜線の真ん中にちょこんと佐渡山のピークがあった。馬蹄型の周縁は大きく雪庇が張り出している。馬蹄型の対岸に目を移していくと黒姫山の外輪山に上がる斜面につながることが分かった。雪庇側に近づかないように注意し、緩やかに佐渡山の山頂に至った。
妙高山や明日行く乙妻山が大きく見える。高田平野方面がかすんでいる。雲がなければ、その先に日本海が見えるのだろう。佐渡山の山名の由来は佐渡ヶ島を遠望する山ということだろうかと、ふと想像した。14:45帰幕。しばらくテントの外でうららかな陽光を浴びて過ごした。やはり野営はいい。

3/20(日)晴れ
夜半、薄いシュラフカバーを通して背中にジンジン寒さが伝わり何度も目が覚めたが、晴天は間違いなしと確信した。4:00起床、満天の星。6:05出発。金色の朝日の光の束を浴び、クトーを着けて登る。佐渡山鞍部から氷沢川の源頭部まで緩やかな下りと歩き。8:05乙妻山北東尾根出合の台地状に着いた。途中で杉原さんは歩行中にシールを見失ったので、捜してから後を追うということになり、3人で先を行った。樹林帯の緩斜面をしばらく進み、乙妻山を見上げる大斜面の下部に立った。1本トレールが敷かれ、小人数の先行者数パーテイが登っている。照り返しが暑いほどの斜面に我等も取り付いた。
途中、潟見さんが脚部痙攣気味となり、あとは自己ペースでということで列から離れた。さらに上部に行ったところで、小林さんからも「構わず行って下さい」とコールがかかり、一人で11:00頂上稜線のコルに上がった。少し登ると小さなコブ状で先行者のスキーが4台デポされていた。私もここにスキーをデポして頂上に向かった。
11:32乙妻山頂。登山靴をジルブレッタ303の締め具に引っ掛けた単独行者がいた。軽快そうだ。山頂から妙高・頸城山群(妙高山、火打山、焼山、雨飾山等)、北アルプス(白馬、唐松、五竜、鹿島槍等)みんな見える。スキーのところに戻った時、小林さんがひょっこり上がってきた。本当にひょっこりという感じで上がってきた。登行の意欲を絶やさずにゆっくりだが着実に上がってこられたのには感心し、握手の手を差し伸べた。
しかし、パーテイで申し合わせた登りの行動時間のリミットを過ぎていたので、小林さんにはここまでとし、12:00一緒に下ることにした。真下の雪壁は途中からすでにクラストが始まっており、小林さんがやや苦戦していたが無事切り抜けた。幾筋ものシュプールが引かれている大斜面をロシア人の名前風にいえば“フリコミスキー”という感じでドッコラショと快適に?(嗚呼スキーうまくなりたい)。それでも、まだシュプールが描かれていない斜面も幾箇所かあり、ターンを繰り返しては振り返って悦に入りながら降っていった。12:40杉原さんと潟見さんが待っている大斜面の下部に滑り込み、ほっと一息。
往路をたどり14:50帰幕。氷沢川の源頭はブナの樹林が点在し、佐渡山、乙妻山等に囲まれ外界が見えない小さな別天地だ。ひと山を登り・降りした後なので、気持ちに余裕を持って静寂な雪の森の風情を味わうことが出来た。沢沿いに下っていったら笹ヶ峰に出られる。いつか探索してみたいところだ。
佐渡山鞍部には、昨日駐車場から出発した数パーテイの見覚えのある顔々があちこちにある。やはり、帰りの時間帯・行動パターンは同じになるものなのだと妙な感心をした。テントを撤収し、林道を滑って15:35駐車場に帰着。
この日の行動計画は、6:00出発〜15:30駐車場だったので、5分遅れの計画書通りの結果となった。リーダーの計画設定時間の読みのよさか、行動の正確さか。3連休好天にめぐまれた所為か、大橋には路肩駐車が何台も連なっていた。潟見さんの車に乗り込んで黒姫駅へ。私の学生時代の先輩(山スキーを手ほどきしてくれた。)が高田から駆けつけて来られ、皆で駅前のおいしいそば屋で打ち上げ後、解散した。

(蓮見 記)