妙高レベルアップ 会山行報告
日程:1月22日(土)〜23日(日)
22日(雪) 赤倉山 登行リーダー:小久保
レベルアップ講習と言うことで、私の目標は雪を知る意味で、穴掘りである。今までそのような
経験はないので是非やってみたかった。
担当コース概要:1030池ノ平スキー場、リフト最上部1380mよりシール登行開始、先行者トレースは無し。スネ程度のラッセルが続き、先頭を交代しながら進む。1330赤倉山稜線上1800mで登行時間切れ、滑降へ。
○事前情報として、気象情報を把握する。
入山前5日間は中部地方上空まで500hPaに-30度寒気が南下していた。さらに、前日からは-36度が関東地方まで南下。低気圧通過後、西高東低の強い冬型を呈している。妙高でもかなりの降雪があるはず。果たして、山に入れるかどうか、不安に。
○シール登行開始地点で、積雪チェックを行う。雪質はかなり良く、軽い。手で円柱を作り、負荷をかけてみる。腕を使うと円柱が崩れる。が、はがれた面を観察するも特に弱層の要因は見あたらない。力で折れた模様。弱層なしと判定。また、ショベルで雪の層が見えるように掘り出すが、明瞭な層は見られなかった。短期間にまとまった降雪があった模様。ここ数日間の気象状況とも一致する。(注:明確な弱層は見られなかったが、連続した多量の降雪による表層雪崩の危険は考えられる:深井)
○ラッセルについて
私にとって深雪ラッセルは初めて。今回はだいたいスネ程度であった。先頭と二番手以降では雲泥の差だと実感。傾斜が急になると登れなくなるので、トラバースしやすい。これだと標高が稼げない。やはり体力一番。また、スキートップが埋まらないような歩き方を考える。雪が堅そうで、少ないところを見つけられるように経験を積む。
○ルート取り
ラッセルの項でも記したが、ラッセルが楽なルートを取れるように。ただ、登るのが目的なので、そうも言っていられない。目の前のルートも大事だが、最終ゴールまでの戦略的なルート取りも大切。
○穴掘り
滑降時1500m付近で行った。雪質を確認するのが目的。30分弱かかり2mほど掘ったが、かなり疲れる。階段を作っていかないと掘れなくなるので、かなり広範囲に掘る必要がある。雪崩に埋まった仲間を掘るとすると15分、捜索時間を入れてなので実際はもっと短いはずで、掘り出せるのか不安。ちなみに、こちらでも弱層は無かった。が、深井さん指摘で、雪の堅さが上から下に堅くなっていくのではなく、途中で逆転している層もあった。ここが弱い、弱層。
○その他
シール登行での急斜面キックターンの習熟。シール登行自体もまだまだ練習。滑降は相変わらずなので練習あるのみ。
最後に深井リーダーありがとうございました。おかげで自分の課題を見つけられ、今後の山行に生かしていきます。
(小久保 記)
22日(雪) 赤倉山 滑降リーダー:中川
担当コース:1800m地点(1345)〜1400m一番上のリフト(1415-1500)〜連山荘(1715)
1800m付近でシールをはずして滑降を開始する。視界が悪くなってきたので、先頭を行っていただくことになった田中さんには「とりあえず見える範囲で滑って待っていてください」と頼む。雪はふかふかしていて気持ちよかった。リフト終着点の少し上の比較的平らな林の中で小久保さん課題の穴掘りをすることに。2mくらいの穴を掘り、雪の質を観察したり重さを量ったりした。雪はほんとに重いです。気づいたら15時になっており、慌てて先に進む。暗くなる前に帰りたいということで、先頭を深井さんにお願いしてしまった。スキー場を横断してからは、地獄谷の崖を確認して滑り、その後はすぐ右に沢があるので、高度計の数値と合わせてだいたいの現在地は認識できたが、正直、細かい地形はほとんどわからなかった。連山荘まではくだりラッセルも楽しく、美しく静かな道だった。
今回の山行では、今までのようにまったくどこにいるのかわからずについていくという状態からは脱却でき、地図上でだいたいの現在地点と進むべき道を認識できたので、少しは進歩したかなと思っています。何度教わってもきれいさっぱり忘れていたコンパスの使い方も、今度こそ覚えた・・・はずです。
深井さん・参加者のみなさん、本当にお世話になりました。ありがとうございます。
(中川 記)
23日(曇り)
23日(曇り) 前山 登行リーダー:佐藤(直)
担当コース:前山第3リフト終点1040〜前山1220着
リフトを降りると前山に登る人は、名前を記入しなさいとのことで、代わりに登山計画書を提出する。皆出発の準備をするが、佐藤のGPSのクリックステックが作動せず、高度を入力できない。厚い手袋では操作がしにくいので、今回は薄手のフリースにしたのになぜだ? 雪も、昨日の午後にはやみ、トレースもしっかりついている。今日の登りのリーダーは何をしたらいいのか。成瀬滑りグループの後を登行開始する。
ブナの大木が美しい斜面。気分はハイキングモードにはいってしまい、ルートの確認も身が入らない。トレースは良い角度についている。昨日の雪では自分にはこのようなトレースはつけられない。ラッセルも技術なのだと知らされる。高度を上げると視界も開け、遠くに谷川連峰、意外と近くに日本海海岸線を望む。斜度がきつくなるとキックターンに苦労する。やがて尾根も狭くなり前山に到着する。
今回自分はルート読みをテーマに、地図・コンパスにGPSで位置確認は万全なはずだった。がGPSは取り付けが決まらず、マップ、ナビ、高度計の各画面切り替えが煩わしかった。また地図は視力の衰えにより見えにくいことを認識した。今回会得したことも、反省したことも活かし、少しずつでもレベルアップしていきたいと思います。
(佐藤直由 記)