会津駒ヶ岳・大戸沢岳 会山行報告
期日 平成16年2月21日(土)、22日(日)
2月21日(土)
前泊組11名は檜枝岐の民宿に宿泊。後発組も当日朝7:30に民宿に集合。
8:00過ぎに桧枝岐スキー場の駐車場に移動し、民宿を通じて了解を得た上で車を停めさせてもらう。8:45に林道入り口から入山。しばらく雪が降っていないらしく林道にはしっかりトレースが残っている。
途中から林道を離れてザクザク雪の急坂を登る。2月とは思えないくらい気温が高くしかも風がないのでとても暑い。計画時には深雪ラッセルを予想していたが全く予想がはずれた。登り始めてしばらくすると潟見さんが遅れ始める。Aグループで荷物を再配分して潟見さんの負担を軽くするがあまり効果はないようだ。しばらく頑張っていたが、共同アンテナの手前で体調が思わしくないとのことで本人の申し出があり途中離脱することになった。
11:30に最後尾が共同アンテナに到着。ペースとしてはかなり遅いが、概ね計画通りに登っている。ここから少しペースを上げて登り始める。再び急坂を登って稜線に出るあたりからゲストのM氏が遅れ始める。久しぶりに重いザックを背負ったのと、先ほど分担した荷物が過度な負担となったようだ。駒ノ小屋まで行くと風を遮るものがないので幕営地は標高1,900m付近の樹林帯とする。先頭は14:00頃、最後尾は約1時間遅れて幕営地に到着。時間に余裕があるので、それぞれのグループに分かれてのんびりと夕食の準備をする。潟見さんが帰ったため中館さんがAグループに加わる。結果として4人用テント4張りに4人ずつと理想的な配置になった。その後はアルコールも入り、それぞれのテントを訪問したりしながら楽しい夜をすごした。
2月22日(日)
夜間もテントの外においたコッヘルの水に薄氷が張る程度で2月とは思えない暖かさだった。天気予報によると天候の悪化が遅れるそうで、テントから出てみると雲ひとつない晴天が広がっている。
個食のBグループは準備が早く一足先に出発。準備ができた順に出発しAグループが最後となる。それぞれ1時間弱で会津駒山頂に到着。360°の最高の展望が広がっている。会津駒ヶ岳山頂の木標が1mほど出ているので積雪はかなり少ないようだ。記念写真を撮ってから大戸沢岳に移動する。樹林帯に入ると携帯電話の圏外となるので、山頂で民宿に連絡し2時間後に「葭ヶ平」スノーシェッドまで迎えに来てもらうように依頼する。弱層テストをしてからいよいよ滑降に入る。滑降は予定通り2コースに分かれることにする。前日のくじ引きに従って、A,Cグループは北北東尾根(1811,1547)、B,Dグループは北東尾根(1553,1386)を滑った。
(北北東尾根記録:記録石黒)
大戸沢岳10:00〜下大戸沢(葭ヶ平)スノーシェッドC班11:20着 A班11:35着
山頂直下の大斜面は、雪質はまだ良かったが、その後樹林帯に入るとザクザクの雪になり苦労する。休憩をとりながらのんびりと気持ちの良い樹林帯を滑り降りる。初めて北北東尾根を滑ったが、雪質さえよければ山スキーに最適の尾根が続く。北東尾根を滑るB,Dグループも遠望できた。樹林帯に入ると少しは雪質が良くなるのでは期待したが、標高が下がるほど雪質は悪くなっていく。前のターンで落とした雪の塊がロール状に転がって表層雪崩の跡のような斜面になる。いちど雪の固まりに直撃されたがかなり痛かった。いい加減滑り疲れたころ三岩沢に下りる。まだ沢は雪で埋まっていた。ここからゆるい斜面を快適に滑り、11:35に葭ヶ平スノーシェッドに到着。宿の車も早めに迎えに来てくれたのでちょうど良かった。
(北東尾根記録:佐藤直)
大戸沢岳1000〜下大戸沢スノーシェッドB班1110着 D班1130着
快晴の大戸沢岳、B班とD班は北東尾根を滑る。山渓2004年2月号に「ふかふかパウダーに遊ぶ」快適なオープンバーンからブナ林へ滑り込む…と題してコースが紹介されている。“ふかふか”“快適オープンバーン”に大きな期待をしてきたが、昨日来の暖かさでそれは望むべきもないことは皆覚悟のうえでの滑降開始。上部は、無木立の広大な斜面。クラストぎみの雪に8人思い思いにシュプールをきざむ。やがて、ダケカンバなどの広い尾根を行くと1553m地点。天気も良いのでD班は、ゆっくりとお茶タイムとする。ブナの林を滑り、1385m地点を過ぎると尾根も狭まり、雪質も悪く樹間も狭くなる。スキー操作に四苦八苦しながら下がると下大戸沢に出る。B班はスノーシェッドの下流側、D班は上流側に降り立ち、ポカポカの春陽のなか、宿からの向かえの車を待つ。天気が良すぎて、雪質には恵まれなかったが、大人数での楽しい山行でした。
今回の山行では檜枝岐の民宿「樹林荘」(TEL0241-75-2170)に駐車場の手配、下山口への迎えなどいろいろお世話になりました。部屋もきれいで食事もおいしいのでお薦めです。
(今後の大人数山行のために)
今回は参加人数が多数(最大19名)になったので、木村彰さんの助言により山行用のメーリングリストを山行の約1ヶ月前に開設した。最終的には発言数が150件を超え、これがなければ今回の山行の実現は難しかったかもしれない。一方、Eメールを持っていない参加者に対する情報提供を電話・FAXで行ったが、リーダーその他情報伝達側にとってはそれなりの負担となり、また連絡自体も多少遅れる傾向にあった。GLの負担軽減及び滑降コースを分散させるために4〜5人程度にグループ分けを行い、それぞれにSLを配置し、作業分担を以下のようにした。
GL : 全体計画、実行可否の最終決定、登山届提出(県警)、運営委員会との連絡調整、テントの手配、前泊宿の手配、交通手段の調整、山行用MLの管理
SL : 共同装備(テントを除く)の手配、食料の準備
ただし、GLの負担が相当大きかったので、役割分担は再考したほうが良いかもしれない。
GPSによるルート図