立山〜太郎平小屋
創立20周年記念山行「日本オートルート」
2003年4月26日〜29日
参加者 2名 村上静志(リーダー 記録) 中山幹夫
20周年記念山行が薬師岳から双六となったので、立山から槍ヶ岳の計画を提案しました。数名の参加希望の方がでましたが、休暇や家庭の事情で参加できない方がでて、私と中山さんの2名で行くことになりました。
計画は26日〜30日、内予備日1日の5日間としました。中山さんは初めてのコースでしたが、横浜の山の会で山登りもされていると聞きましたので、完走するために、多少荷物が重くなりましたが、寝具・食料持参で営業小屋以外でも泊れるようにして先に進むことにしました。他に、長坂さんと奥村さんの各パーティーが同じコースに入るそうです。
4月26日
予定どおり同じコースを進む長坂パーティーと室堂に入りましたが、視界不良と風のため、とりあえず一ノ越に進んで様子を見ることにしました。お昼過ぎ、多少視界もでてきたので進むことに。獅子岳手前で、巻いて進む長坂パーティーと別れ、我々は稜線伝いに進むことにしました。視界は有りませんが最後のコブを面倒になってスキーで巻くことにしました。が、50mぐらい下り過ぎてしまい、方角を修正してザラ峠の下降地点に登り返しました。
この時、雲の切れ間から御山谷側の斜面を登る長坂パーティーが見えました。夕暮れ前、五色小屋に着き素泊まりすることに。小屋の人に8時半まで明かりをつけてもらいましたが、長坂パーティーは到着せず、ビバークした模様でした。
4月27日
小雪の降る朝で始まりました。昨日到着したのは我々だけでしたから、GW最初のパーティーです。6時過ぎ視界はまだ有りませんが、本日の行程が長いので出発することに。今年は稜線の雪が少なく、コース取りに多少手間取りましたが、正午前、スゴ乗越しに到着。天気も回復し、中山さんもこの時点では元気だったのでゆっくり休んで薬師岳に進みました。
間山辺りで中山さんに疲れがでたらしく、ペースが落ちはじめましたが、時間も有るので先に進むことに。しかし、北薬師を越える辺りから、スキーを着けたり外したりが始まり、時間がかかりました。稜線での泊まりはさけたかったので、先に進みましたが、その時点では遅くとも20時ぐらいには太郎平に着けるつもりでした。
薬師岳山頂手前200mぐらいの所で中山さんの疲労がピークにきたらしく、雪のくぼみにツエルトを張り泊まることにしました。中山さんはツエルトに入ると緊張の糸が切れたようでした。食欲がなく、お湯を欲しがったので湧かして与えましたが、暫くしてほとんど水分でしたが戻してしまいました。
その時点で胃の痛みを訴えましたが、胃液に血が混じるようなこともなかったので、極度の疲労と思い、胃薬を飲んで休ませました。風も弱く、気温もそれほど下がらなかったのは幸いでした。
4月28日
中山さんは眠っていたようでした。朝疲れが多少回復したようなので、太郎平小屋まで下ることに。荷物を軽くして無理に歩かせました。滑っている時は緊張で忘れているそうですが、休むとかなり胃が痛むようです。
お昼前、太郎平小屋に着き、横になっていると少し回復したらしく、小屋のお粥を食べて、もらった薬を飲んでからは、夕刻到着した長坂パーティーと談笑するぐらいに回復しましたので、予定を変更して明日、北ノ俣岳から飛越トンネルに下ることにしました。
4月29日
中山さんは夜中、胃の痛みがでて眠れなかったそうです。本人からの時点で胃の痛みを訴えましたが、自力で下山できないのでヘリコプターを呼んでほしいと言われたので、小屋に連絡を頼むことにしました。
双六に向かう長坂パーティーを見送ったあと、30分ぐらいの警察との携帯電話のやり取りを。8時過ぎ、快晴微風だったので問題なくヘリコプターが飛んできました。中山さんと同伴してほしいと警察の要請が有り、私も荷物と一緒に乗り込みました。15分ぐらいで富山市民病院に、しかし風が強く降りられず富山中央病院に。検査の結果、急性の胃痙攣だそうで点滴後容態も回復したので、その日の内に東京に戻りました。
今回の原因としては、30日天候が崩れるようなので、その日の内に薬師を越えたいと無理をさせてしまった事。コース状態も悪く、荷物も重たかった事などが原因しているみたいです。
メンバーが多ければ多少緊張感も和らぎますが、2人だけで自然にストレスがたまったのかもしれません。限られた日数で完走を目指すと無理をする場合もありますが、リーダーとしては反省の残る山行になりました。
ヘリコプター要請については退院後、警察に連絡を入れましたら、小屋にお礼を言って下さいとの事で、警察に立ち寄ることは有りませんでした。ヘリコプターが来る前に警察と小屋の人が詳しく話をしました。小屋の人は、警察は最近うるさくなったと言っていましたが、個人で要請するのと、小屋の人に要請してもらうのでは多少違うのかもしれません。