北アルプス 焼岳
日程:2003年1月11日−13日
メンバー:金井(L)、岡安、長坂、上林(記録)

1月11日(土) 天候:晴れ
朝8時 大月駅で集合して長坂さんの車で出発。正月明けのせいか連休初日なのに中央道はガラガラで11時前に釜トンネル入り口に到着。仕度をして11時20分出発。釜トンネルは凍結しておらず約30分で出口に出る。雪が吹き溜まった梓川への急斜面を降りるといきなり腰までのラッセル。河原でシールをつけて梓川沿いに歩き、下掘沢の出会いから尾根に取り付く。急斜面の登りだが先行パーティーのトレースを使わせてもらって登る。トレースが無ければかなりきつい登りだ。14時 標高1700m付近にテント場に適した平らな場所があり、ここでテントを張ることにする。表面の雪を掘って踏み固めてから会のエスパースを張り、時間をかけてしっかりしたベーステントを張った。夕食は金井さん担当で肉と野菜たっぷりの豪勢な鍋 他 いつもながら素晴らしい料理に舌鼓をうつ。夜になっても気温は高く、全く寒さを感じない夜であった。

1月12日(日) 天候 曇り/晴れ
5時半起床ですぐ朝食を取り7時15分出発。本州は高気圧に覆われて晴れの予報であったが、朝からガスで視界が無い中樹林帯を登る。夜中に10cm程の積雪があり、先行パーティーのトレースはかなり消えていたが、ラッセルという程の深さではなく快適に登る。途中で先行パーティーに追いつき、ここからランドネが先行して登る。先行パーティーは浜松労山の8名。9時40分 標高2275m。このあたりが森林限界で急に風が強くなり、気温も下がって−15度。両手の指先がしびれて感覚が無くなる。最後の登りはかなり硬い急斜面でクトーの爪だけを雪面に引っ掛けて登る部分が多くなり、一歩一歩きちんと足場を確保しないと簡単に滑落する斜面で緊張する。
10時50分 山頂に到着。最上部は歩行アイゼンで登るつもりだったが、シールで頂上まで登れてしまった。時折ガスが一瞬途切れるがほとんど視界は無い。写真を取りシールとクトーを着けたまま安全な場所まで戻ってシールを剥がして滑走開始。上部は自分たちのトレースもほとんど残っていないのでコンパスを見ながら慎重に下る。森林限界の上のちょっとした窪みに滑り込み大休止。風も収まってここまでくれば一安心。ここからはトレースを慎重にたどり部分的にちょっとした新雪滑りを楽しみながら下るが、樹林が密であまり豪快には滑れない。ダイナミックな滑走を楽しもうと思ったら雪が落ち着いてから下堀沢を滑るのが良いだろう。標高が下がると視界も出てきて滑走を楽しめるようになる。12時40分 テント場に無事到着。下界はすっかり晴れ渡り、穂高連峰が素晴らしい。午後の残った時間はガソリンコンロを外で炊いて、山を眺めながら、長い長い贅沢なお茶タイム。夕食は岡安さん担当で、今日も肉と野菜たっぷりの鍋 他。この晩も寒さを感じない快適な夜だった。

1月13日(月) 晴れ
5時45分起床で朝食を取りすぐ出発の準備。9時頃まで登って降りてくる事にする。7時50分出発。昨日とはうって変わって快晴無風状態で穂高連峰や焼岳の素晴らしい眺めを見ながらのんびり2000m付近まで登り、滑ってテント場に戻る。テントをてきぱきと片付けて10時出発。下堀沢出会いまでの急斜面を悪雪と戦いながら滑り降り、梓川沿いに戻り、釜トンネルまでの急斜面をつぼ足で登って、10時30分 釜トンネル上高地川入り口着。テント場からなんと30分で来てしまった。少し休んで釜トンネルを抜けて11時過ぎに車に戻る。帰りに坂巻温泉に入って汗を流す。帰りも渋滞は無く大月で解散。

天候に恵まれ、山頂も踏めて素晴らしい山行でした。 上林 記